
こんにちは! やまももです。
旅と温泉が大好きです。
いまだ世界を騒がせている新型コロナウイルス。
ですが、長野県内では5月12日を最後に新規感染者が出ておらず(6月11日時点)、自粛ムードは少しずつ緩んできたように感じられます。
それでも、コロナ以前のような出歩き方や、他県との間での移動はまだまだしづらいのが現実。
そんななか、長野県では自治体の観光復興支援制度のひとつとして、県民限定で宿泊料金が割引になる「ふっこう割」が6月に実施されることを知り、さっそく利用してみました。
私たち夫婦は今年東京から長野へ移住しましたが、直後から自粛モードでほとんど出歩けず。
地元になじみたい思いもあり、自宅から約5キロ圏内の浅間温泉の宿「梅の湯」さんへ泊まってきました。



今回は、「ふっこう割」を活用した宿泊レポと、信州の名湯のひとつ、浅間温泉について紹介します!
2020年の「ふっこう割」とは?


地元民のための観光復興支援事業のひとつ
2020年実施の「ふっこう割」は、地方自治体などが手掛ける観光復興支援事業のひとつです。
新型コロナウイルスの影響で旅行需要が大きく落ち込み、都道府県をまたぐ外出も難しくなっている現在。
各自治体が観光復興を目的として、地元民を対象とした独自の支援策に乗り出しています。
この「ふっこう割」、実は過去にも大きな自然災害があった後に何度か実施されていました。
- 2016年の熊本地震
- 2018年の西日本豪雨、北海道地震
- 2019年の台風15号や19号などの一連の豪雨
これらのときは、政府が被災地を訪れる旅行客に対して一定の宿泊代金を補助しましたが、今回は各地方自治体が独自でさまざまな取り組みを実施しているようです。
2020年6月実施の長野県ふっこう割の内容は?
2020年6月の長野県ふっこう割のおもな内容は、以下の通りです。
- 期間:令和2年6月1日から6月30日宿泊(7月1日チェックアウト)まで
- 対象:申し込み時点で長野県内に在住している人(在留外国人も対象)
- 10,000円以上の旅行・宿泊商品:1泊1人あたり5,000円割引
- 6,000円以上10,000円未満の旅行・宿泊商品:1泊1人あたり3,000円割引
- 割引上限額は1人1旅行あたり15,000円
さらに詳しく:長野県ふっこう割事業事務局Webサイト
長野県に住んでいれば、代金に応じて1人1泊3000円もしくは5,000円割引されます!
しかも大人も子どもも割引額は共通。4人家族では最大1泊20,000円も割引に。かなり大きいですよね。
予約は、上記リンク先のページ内に掲載されている県内の旅行会社で行えます。
私は日本旅行松本支店さんのページからネット予約をしましたが、オンラインでの支払いや、県民であることを証明する書類提出などの流れが若干わかりにくかったです。
不安な方は、店頭へ出向くか、電話のほうがむしろ楽かもしれません。(ただ、店頭は休業中で、ネットや電話受付のみの店舗もあるようなのでご注意ください)
行先は浅間温泉に決定【自宅から5キロちょっと】
自転車(ママチャリ)で行くことを思いつく
今回の長野県民向けふっこう割、県内のいろいろな旅館が対象になっていたのですが。
近場で松本周辺の宿を探し、浅間温泉「梅の湯」さんを見つけて予約しました。
浅間温泉まで、自宅からは5キロちょっと。
5月に購入した車はまだ納車されていないので、「松本駅から浅間温泉行きのバスに乗るかな~」なんて考えていたのですが、出発数日前、ふと「これ、自転車で行けるんじゃない!?」と思いつきました。
自宅から松本駅へ出るのにも自転車で10分ほどかかりますし、バスの待ち時間を考えるのも面倒です。
「これはもう自転車しかないでしょ、我ながらナイスアイデア!」と思う一方、私が持っているのは一般的なママチャリ、夫のはこちらに来てから購入した20インチ折りたたみ自転車。
坂の状態や地形もイマイチわかっていないのに大丈夫かなと若干の不安もよぎりつつ、当日を迎えました。
微妙な坂が続いて地味にキツイ
自宅から浅間温泉までは、「やまびこ道路(国体道路)」をひたすら北上していく形です。
松本駅から浅間温泉に向かうときも、お城口の駅前からまっすぐ143号線→あがたの森通り→やまびこ道路に入れます。
大きな通りなので車の量はそれなりにありますが、車道の端っこに自転車レーンが設けられているので、安心して走れました。
順調に進んでいったのですが、「南浅間」のあたりから「浅間温泉入口」まで緩やかな坂道が続いていきます。
傾斜はパッと見じゃ全然わからないくらいですが、運動不足の体にはこれがかなりキツイ…。
しかも気温30度越えの太陽が追い打ちをかけました。
宿泊先は浅間温泉「梅の湯」さん


旅館の厳しい現状を察しつつ、静かな夜を満喫
「やまびこ道路」を走り続けると、突然、交差点に浅間温泉の看板が出てきます。
看板をさらに抜けていき、息絶え絶えになりながらも、なんとか梅の湯さんに到着。


松本市の「都市景観賞」を受賞している数寄屋造りの建物は、非常に趣があります。


梅の湯さんは客室21室、収容人数100名規模の旅館ですが、この日はコロナの影響に平日というのもあいまって、とても静かでした。
部屋の印象
通された部屋は11畳(バストイレ付き)の和室。2人だとかなりゆったり使えます。
おそらく、他には数部屋しか埋まっていなかったようで、通常よりもいい部屋にしてくれたのだと感じました。
決して新しい旅館ではありませんが、全体的に清潔にされている印象。


温泉の印象
大浴場は男女1つずつあり、どちらも弱アルカリ性単純泉の「かけ流し」とうたわれています。
衛生上循環ろ過をしているとのことで厳密には循環併用と思われますが、源泉からの温泉水がたっぷり注がれていますし、冬季以外は加温もありません。
クセのない熱めのお湯で、しっかり温まることができました。
料理の印象
夕食、朝食ともに、いくつかの選択肢から時間を選ぶことができました。
会場は3階の宴会場にて。この日、同じ時間帯には私たち以外いませんでした。
もしかしたら普段とは違うメニューだったかもしれませんが、夕食では山菜の天ぷらや岩魚の塩焼きなども含め、季節感のある会席料理をゆっくりと楽しめました。
温かいものがちゃんと温かく出てきたのがよかったですね。
今回の宿泊代、料金は「ふっこう割」がきいて、1泊2食付きで一人8,000円ほど。
これで24時間入れる温泉も独り占めできたので、かなり満足感のある宿泊となりました。
信州には名湯といわれる温泉地がたくさんありますが、ここで浅間温泉の特徴をザッとまとめます。
- 長野県のほぼ中央に位置。JR松本駅からバスで20分、長野道松本ICから車で20分、松本空港からバスやタクシーで40分
- 上高地や、乗鞍高原・美ヶ原高原への登山やハイキングの拠点になる
- 開湯は一説によれば698年の飛鳥時代と推定。1300年以上の歴史を誇る
- 湯量豊富。源泉の温度が約50℃なので、加水・加温不要の「完全掛け流し」で入れる宿が多い
- 15軒ほどの旅館のほか、外湯施設もあり
浅間温泉は今後の変化が楽しみ
翌朝。
普段の旅行だと「さて、出発するぞ!」と意気込むのですが、何しろここは同じ市内。
また自転車に乗って帰るだけなので、チェックアウトまで気楽に過ごします。
宿を後にしてからは、浅間温泉街を軽く散策。


浅間温泉街には「外湯」と呼ばれる共同浴場が複数あります。その多くは地元住民向けですが、一部は外来者も利用できます。
また「山の手使い湯」という飲泉場も。こちらのお湯は、宿の温泉に比べてかなり硫黄臭が強かったです。


現在の浅間温泉は、非常に静かな(言い方を変えれば、やや元気をなくした)温泉街となっています。
ですが、まさにいま、浅間温泉ではいろいろなプロジェクトが進行中。
たとえば、「地方創生のキーパーソン」かつ雑誌『自遊人』の編集長・岩佐十良さんが手掛ける老舗旅館「小柳」の再生プロジェクトや、株式会社WAKUWAKU浅間温泉による老舗旅館「おもと」のリニューアルプロジェクトなど。
どちらの旅館も、2020年夏ごろにはリニューアルした形で再スタートするようです。
目指すは、この地の歴史を大事にしながらも現代に即した形で観光誘致できる温泉街だとか。今後、浅間温泉は大きく変わりゆくことが予想されます。
どのように変化するのか、期待大です!
まとめ:東京じゃできない「遊び」に充実感!


浅間温泉からの帰り道は松本駅方面へむけて緩やかな下り坂が続き、あっという間に市街地へ出て自宅に到着しました。
今回、長野県の「ふっこう割」を初めて使ってみましたが、通常よりも大きく割引された状態で宿泊できることで、かなりお得感がありました。
この厳しい状況下でさらに割引、旅館が赤字にならないだろうかとちょっと心配しましたが、割引された分は国からの支援金が充てられるそうで、なんとなく安心。
自転車で近所の温泉宿に泊まりに行くなど、東京ではできなかった遊びです。充実した気分になりました。
日本全体がもっと落ち着いたら、国として実施される予定の「Go To Travelキャンペーン」を活用して、どこか旅に行きたいです。



他の自治体にお住いの方も、地元の中であれば多少動きやすくなっていると思います。ぜひ地域の観光復興支援事業をチェックしてみてください!