
フリーランスのライターとして9年活動している、やまももです。
フリーランスや副業を始めたい人の間で、ますます注目を浴びている「クラウドソーシング」。
「クラウドソーシング」とは?(ザックリ説明)
インターネット上に「仕事を依頼したい人(発注者)」と「仕事を受注したい人(ワーカー)」が集う、Webサービスの一種。クラウドソーシングサイトでは、サイト内で仕事の募集や応募、契約、納品、支払いなどを完結させられます。
私がフリーランスになった当初(2012年)からクラウドソーシングサイトは存在していたのですが、ずっと活用する機会がなく…。(発注側として利用したことは数回だけあるのですが)
でも、今後自分がやりたいことのひとつは、フリーランスを目指す人のサポート。
いまや駆け出しフリーランスはクラウドソーシングで仕事をとるのが定番ルートになっているからこそ、私自身がクラウドソーシングの使い勝手や、適切な活用方法を検討しなくてはと考えるようになって。
というわけで、数ヵ月使用してみたらだいぶあれこれ見えてきたので、今回はクラウドソーシングを利用した率直な感想を記事にします。
クラウドソーシングに興味がある方、クラウドソーシングを使い始めたけれど、どう使うべきか悩んでいる方などは、ぜひ参考にしてもらえたら幸いです。
【前提】使用サービスはクラウドワークス。案件はライティング関連
はじめにお伝えしておくと、今回私が使用したクラウドソーシングサイトはクラウドワークス
クラウドワークスを選んだ理由は、(たいそうなものでもないのですが)下記の通り。
- アカウントを持っていた(2014年になぜか会員登録だけしていた)
- 募集案件数が多そうだった
- サイトのデザインがシンプルで見やすそうだった
もうひとつの大手クラウドソーシングサイト「ランサーズ」も触ったのですが、個人的にちょっと使いにくいなと感じました。(ただ「ランサーズのほうが好き」と話す人も一定数いるので、完全に好みの問題だと思います)
そして、探していく案件は「ライティング」関連のみ。
(ここにはWebライティングのほか、コピーライティング、リライト、校正なども含みます)
いくら好奇心からでも、仕事として受注する以上は全力で取り組まなくてはいけないので、自分の経験と実績を生かせて、魅力的だと感じられる案件にしぼって探していきました。
クラウドソーシングを使ってライティングをした感想
①:意外と楽しい
最近、TwitterやYouTubeなどでクラウドソーシングの情報を発信する人が多いですよね。
そういった場で、よく「クラウドソーシングは稼げない」「闇案件が多すぎる」などの噂を耳にしていたので、どれだけヤバい感じなのだろう…と思っていました。
やってみた結論、「思っていたよりもワクワクできた」というのが正直なところです。
これまでクライアントと直取引で仕事をしてきたので、クラウドソーシングのように、ズラリと案件が並んで自分で好きなものに応募するしくみ自体が新鮮でした。
「たくさんの中から案件を選べる」のは、仕事を探している人にとって魅力的だと思います。
いろいろな種類の案件に挑戦することで、自分の知識・スキルの幅を広げることにもつながりますしね。
案件受注ごとに手数料はかかりますが、その分、ワーカーが楽できる部分(システム上でやりとり完結できたり、自分で請求書発行しなくてよかったり)があるので、サービスとしては十分にアリじゃないかなと感じます。



単価がよい案件が少ないとか、ブラック発注者がいるとかの件はいったん置いておくとして、人気がある理由はよくわかりました。
②:案件量は想像より多かった
クラウドワークスの案件量は、話に聞いていた通り、多かったです。
ライティング関連でいえば1日に数十件は新規案件がアップされていますし、Web制作系、動画編集系、ロゴデザイン系なんかもたくさんありそうでした。
以前、他のクラウドソーシングサイトもいくつか調査したことがあるのですが、個人的には案件量も少なく、ちょっと微妙…という感じでした。使用目的がハッキリしていればいいのかもしれませんが。
ただし、登録ワーカーの数も多いので、人気案件ではわずか数名の募集に対して、50人、100人くらいが応募している様子も目にしました。
自分のスキルや強みをきちんと把握して、しっかりアピールできるように戦略立てていかないと、応募作業だけでムダに時間を浪費し、疲弊しそうな気がしましたね。
③:募集文からいろいろなことが見えた
いろいろな募集記事を見ていると、いくつかの傾向が見えてきました。
- 発注元が企業とわかる案件はあまり多くない(たまに上場企業の案件もあり)
- 1回目はテストライティング→継続依頼の流れをとる案件が多い
- 単価だけで決めると痛い目を見そう
発注元が企業とわかる案件はあまり多くない
個人が依頼を出しているも案件でも、比較的単価が高めのものはありました。
ただ、私は対企業の仕事のほうが安心なのと、実績にしやすいとも考えていたので、基本的には企業の案件に絞って探していました。
1回目はテストライティング→継続依頼の流れをとる案件が多い
最初の契約はテストライティングにして、納品物で合否判定→問題なければ継続依頼といった流れの案件が目立ちましたが、それはお互いのためにいい方法かなと思います。
ただ、テストライト分の報酬は実質ゼロとか、2000文字で200円とか、さすがに低すぎでしょ…と思う案件もちょくちょく見られました。
(まあ、そうしたくなるくらい酷い記事が上がってくることが多いのかもしれませんね)
単価だけで決めると痛い目を見そう
ライティングでは多くの人が「文字単価」を気にすると思いますが、発注者の雰囲気、作業内容と照らし合わせて考えたほうがよいですね。
文字単価が高くても、リサーチや画像選定など「書く」以外の作業ボリュームが大きくなりそうだったり、依頼内容がザックリで自分で考えなくてはならない部分があまりに大きかったりしたら、割に合わない場合もありますので。
それと、個人的に「これは絶対にやめておいたほうがいい」というのは、募集記事の文面があまりに短かくて、友達との会話のような軽い文章だったり、日本語がおかしかったりするものです。
そのような発注者とのやりとりは、ストレスが溜まる可能性が高いと思うので…。
④:誠実な発注者もちゃんといる
私がだいぶ慎重に、吟味して案件を見ていったのもあるかもしれませんが、幸いにも実際にお仕事させてもらった発注者(クライアント)さんは、誠実で、安心してやりとりできる人ばかりでした。
ただ、プロフィールを登録していると、たまに発注者さん側からのスカウトメールがくることがありまして。
それをキッカケにやりとりした方々はちょっと微妙でしたね…。案件内容がグレーな感じだったり、最初に聞いていた話が、詳しく聞くと全然違うものだったり。
この経験から、やっぱり自分で探して「安心!」と思える案件に応募していくほうが無難だなと感じました。
⑤:ワーカーもいろいろな人がいた
クラウドワークスでは、一つひとつの案件の募集記事内で「この仕事に応募したクラウドワーカー」が見られるようになっています。
今回、私はクラウドソーシングの実態を掴むために、ちょこちょこと他のクラウドワーカーさんのプロフィールページをのぞいてみたのですが…。
これがまあ、人によってプロフィールの書き方から内容の充実度から、まったく異なるものでした。
大手出版社や新聞社勤務経験など十分な実績があって経験豊富な年配ライターさんから、現在は会社員だけれど個人で稼ぐ力を身につけたい系の人、子育て中の主婦さんまで…。50代、60代の人もそこそこいましたね。
驚いたのは、「ライター」としてアピールしているのに、プロフィールの文章自体が誤字脱字だらけで意味もよくわからなかったり、3行ほどしか書いていなかったりとか。それで仕事とれるのでしょうか…。
また、サイト内に掲載されているテンプレートをコピーしている人も結構多い印象でしたが、これは個人的にはNGかなと。
テンプレートは、必要な要素(実績、スキル、稼働時間など)を参考にするには便利ですが、あいさつ、締めの言葉などは自分で考えたほうが絶対によいと思います。
私は発注者側としてライターさんの採用に携わったことがあるので、そういうテンプレ的なの応募文を見ると「またか…」となる気持ちがちょっとわかります。
自分の言葉で書いているかどうかって、思っている以上に相手は感じますし、少し手を入れるだけで与える印象はガラッと変わります。
【結論】クラウドソーシングは、どう活用すべき?
今回は、私がクラウドワークスを使って仕事をした感想を紹介してきました。
こうした内容を踏まえて、思ったことをまとめると…。
- 発注者も、ワーカーも、微妙な人は一定数いる(詐欺は論外)
- 案件量は多いが、よい案件を掴むにはワーカー側の「見極める力」が必要
- 楽に仕事の幅を広げるには便利
- あくまでもサブ的に使うのがおすすめ
- 結局は「信用」と「信頼」が重要
といった感じです。
正直、クラウドソーシングだけに頼って仕事をしていくのは、ちょっとキツいなという印象です。
それは報酬(単価)的な問題もありますが、やはり本来、フリーランスは自分で営業をして直接クライアントと契約を結び、人脈や仕事の幅を広げていくことを目指すべきかなと。
クラウドソーシングを使えば一時的には稼げますが、基本的には提示された案件をこなしていくだけですから…。
副業やお小遣い稼ぎなら問題ないでしょう。でも専業フリーランスとして長く活動していきたいのなら、やはり自分主体で価値を提供できる仕事のやり方を模索していかないと、先細りすると思います。
ですので、フリーランスを目指している人、フリーランスになり立てでとりあえずクラウドソーシングに頼っている人は、最初のお金稼ぎの手段として活用しつつも、常にそれ以外の場で案件をとれるように意識して行動することが大切かなと。
ただ、クラウドソーシングでも案件を選んで素敵な発注者さんと出会い、良好な関係を築ければ、単価を大きくアップさせられたり、新しいビジネスチャンスにつながったりする可能性も考えられます。
とはいえ、そうしたチャンスを掴めるかどうかも、結局は「信頼」と「信用」がポイントだと思います。
この件は前々から強く訴えていることなのですが、クラウドソーシングの場でも実感しました。





今回は以上です!今後も、フリーランスの働き方やライターの仕事についての情報を発信していきますね。