
ようやく移住したい場所が決まってきた! だけど、肝心の家探しはいつから、どうやってやればいいんだろう? 方法を知りたい。
そんな疑問にお答えします!



私は2020年、夫婦で東京から長野県松本市へ地方移住しました!
移住にあたっては、イチから家探しをしました。今回は、その経験をもとにお話ししていきます。
地方移住をするにあたって欠かせないことのひとつが、移住先の家探しです。
「せっかく移住するんだから、楽しく暮らしたい! 絶対に失敗したくない!」そんな気持ちは誰でも同じですよね。
でも、土地勘のない場所での家探しは、思った以上に大変だと感じることも。
そこで今回は、実際に地方移住を経験した私が、家探しの流れや、家探しをするときのポイントを紹介します。
これから地方移住を具体的に計画していこうと考えている方、地方移住の家探しってどんな感じなんだろうと思っている方に、ぜひ参考にしていただければと思います。
地方移住の家探しの流れ3ステップ


では、地方移住の家探しの方法を、3ステップで見ていきましょう!
ステップ①:どんな家に住みたいのかを決める
地方移住をするとき、「住む地域やエリア」は時間をかけて真剣に考えても、「家」そのもののことはそこまで深く考えない人もいるかもしれません。
ですが、実際に地方移住をした私の実感としては、移住する地域と同じくらい、住む家についてもよく考えることをおすすめします。
というのも、どんな家に住むかによって、移住後に実現できるライフスタイルは大きく変わってくるからです。
詳しく説明しますね。
一般的に、地方移住での家の選び方としては、以下が考えられます。
- 賃貸物件を借りる
- 一軒家を購入する
- 土地を買ってイチから家を建てる
- 「空き家バンク」を利用し、空き家を借りるor買って暮らす
それを前提に、たとえば、こんなふうに考える人がいるとします。
地方移住にとても興味があるんだけど、本当に自分に合うかな。ある程度の快適な生活は残したまま、とりあえずお試しで地方で暮らしてみたい!
ということなら、気が変わったときに気軽に動きやすい賃貸物件にしておくほうがよいでしょう。
あるいは、こんな人もいるかもしれません。



家族で自然に囲まれながら畑仕事をしてみたいし、広~い家の中には暖炉を作りたい!
みたいな理想があれば、いい土地を見つけて家を建てるか、空き家をリノベーションするなどの方法も考えられます。
ただ、地方は過疎地になればなるほど、都会ほど家の選択肢はありません。
ライフスタイルのこだわりが強い場合、もともと「いいな」と思っていた地域では希望がかなう家が見つからず、移住先を変更しなくてはならない可能性もあります。
まずは、ご自身が希望する移住後の暮らし方をよく考えてみましょう。
ステップ②:物件情報を収集する
住みたい地域、理想のライフスタイルとそれが実現できる家のイメージが固まったら、いよいよ物件情報を集めましょう。
希望の住まいに応じた情報収集の仕方をまとめます。
賃貸物件を借りる場合
大手不動産屋のポータルサイトを活用するのが便利です。
都市で賃貸物件を探すときに使う「SUUMO(スーモ)」や「LIFULL HOME’S(ライフルホームズ)」などは、地方移住先での賃貸物件探しにも活用できます。
過疎地は厳しいかもしれませんが、地方都市であれば、都会での物件探しと同じような感覚で探せます。
すぐに移住するわけではなくても、早めに希望の移住先の物件情報を調べておくと、何となくその地域における家賃相場や物件の特徴が見えてきます。
ただ、地域によっても差がありますが、大都市と比較すると地方は物件数が圧倒的に少ないです。
ガチガチに絞った理想の物件条件を入力して検索すると、出てくるのはほんの「2~3件」ということも。
そういった理想と現実のギャップを知り、その後の家探しの参考にするためにも、早いうちに物件情報を調べてみることをおすすめします!



私は、本格的に家探しをする1年ほど前から、チラチラと移住先の物件情報を眺めていました!
一軒家を購入する
賃貸物件を探すのに使う大手不動産屋のポータルサイトのほか、以下のような、地方移住や田舎暮らしに特化した物件情報サイトを利用するのが便利です。
田舎ねっと.日本
全国各地の加盟店(不動産会社)からの情報提供で、全国各地の田舎暮らし物件情報が毎日更新されています。
SUUMO(スーモ) 移住・田舎暮らし
移住や田舎暮らしをしたい人向けのエリアに特化した、一戸建ての物件情報が掲載されています。
田舎暮らし物件の総合サイト ビギンズ
全国の地方移住や田舎暮らしに適した物件情報が公開されています。空き家バンク情報も掲載。
土地を買ってイチから家を建てる
一軒家を探すのと同じようなWebサイトを活用するとよいでしょう。
「空き家バンク」を利用し、空き家を借りるor買って暮らす
近年、地方移住を考える人の間で話題になっているのが、「空き家バンク」です。
空き家バンクを簡単に説明すると、地方自治体が間に立って、空き家を貸したい人・売りたい人と、空き家を借りたい人・買いたい人をつなげる制度です。
全国の自治体で空き家バンク制度が活用されており、利用方法は各自治体によって異なります。
空き家を探してみたい場合は、以下のような日本全国の空き家情報が掲載されたポータルサイトを活用すると便利です。自治体発信の内容なので、安心です。
ステップ③:実際に現地へ足を運ぶ
地方移住の家探しでは、最初のうちはインターネット中心に情報を集めていくことになるはずです。
ですが実際に移住先や移住時期が固まってきたら、必ず現地へ足を運びましょう。
とくに「家を買う」「空き家をリノベーションする」ことを選択すると、それなりにお金もかかってきます。
また、古い物件はいざ見てみると、思っていた以上に手直しが必要だったり、あまりにも不便で生活しづらいと感じることがあります。
ですので、移住前には極力、イメージと現実のギャップを埋めておくためにも慎重に現地調査をするのがベター。時間に余裕があれば、時期を変えて数回訪れるほうがよいです。
もちろん移住先を決定するにあたっても、まずは自分の目で地域の姿を確かめて、本当に自分にしっくりくるのかどうかを確認しましょう。
また、地方では車が必要になるケースが多いです。
都会からの移住だと、もともと車に乗る生活をしていない人もいると思いますので(私はそうでした)「車を持つことについて」も頭に置きながら家探しをしていったほうがいいです。
田舎暮らしでの車の必要性については、別記事「車なしで田舎暮らしはできる?【我が家が地方移住後1ヵ月で新車を購入した話】」で詳しくまとめています。
よろしければご覧ください。
【実体験で語る】地方移住の家探しのポイント





ここからは、私が実感した地方移住での家探しのポイントを紹介します!
その①:最初は賃貸からスタートするのがおすすめ
地方移住のはじめの暮らし方として、個人的に断然おすすめするのは「賃貸物件に住むこと」です。
理由はシンプル。
移住先の生活が本当に自分に合うかどうかはわからないからです。
いくら事前に移住先の地域情報を念入りに調べて「ここしかない!」と思っても、いざ腰を据えて生活を始めてみなければわからないことはたくさんあります。
移住先で生まれがちな悩みについて、例を挙げてみましょう。
- 春・夏・秋・冬それぞれの時期の住み心地
- ゴミ出しのルール(わずらわしさ)
- 近隣住民との人間関係、町内会の取り組み
- 電気・ガス・水道などインフラの充実度とそれにかかる費用
- 通勤経路や時間
- スーパーや病院、銀行などへのアクセスのよさ
など、ちょっと考えただけでもこれだけ出てきます。
いざ住んでみて「これはムリ」となったときに、すぐにどうにか動けるのは賃貸物件の強みです。
せっかくの地方移住なのに、賃貸ってあまり都会の生活と変わらない感じと思うかもしれません。
田舎に安い土地を買って理想の家を建てたり、古民家をリノベーションをしたりなんていうのは、いかにも憧れの地方移住っぽいですよね。
でも繰り返しになりますが、初めての地方移住であれば、まず無難な賃貸物件で生活するほうがいいと思います。



私たち夫婦も賃貸を選択しました。
駅から離れた物件を選んだことで、周囲には高い建物もなく田んぼや畑に囲まれ、山が近くに見えます。それでいて、物件そのものは新築で快適。自分たちにとっては理想の環境です。
まずはその地域に住んでみて、よほど気に入ったり一生そこで住んでいきたいと思ったりしたら、自分の家をもつのもいいのではないでしょうか。
その②:家賃は下がっても、生活費は上がる可能性も念頭に
よく言われることですが、地方に比べると東京の家賃相場はあまりにも高いです。
全国賃貸管理ビジネス協会の全国家賃動向調査によると、2020年5月の場合、1部屋(1K・1DK・1LDK)の家賃相場は東京が69,162円と、ほぼ7万円です。ちなみに東京以外で、同条件で家賃相場が6万円台にのぼる道府県はひとつもありません。
私たちは松本に来て、東京で暮らしていたアパートと同様の間取りや平米数で、家賃は4万円ほど下がりました。
それでも、地元の不動産屋には「これでも、この地域では高いほうです」と言われたくらいです。地方では、家賃重視で探そうと思えば、もっと金額を下げることも可能だなと感じました。
というのも、都会から地方へ行くと、生活が大きく変わる分、家賃以外にかかる費用が増える可能性があるからです。
目立つところだと、ガス料金(都市ガスからプロパンガスへ)、車の維持費(寒冷地ではスタッドレスタイヤの必要性)など。



覚悟はしていたものの、プロパンガスの料金はやはり高かったです…。冬が恐ろしい…。
また、地域によっては都会のように近場に何店舗もスーパーがあるわけじゃないので、「値段を比較して安いところで買う」みたいなことができない可能性があります。
このほかにもいざ住み始めると、各地域特有の事情で、想定外の費用が発生する可能性があります。
また、もし地方移住後の収入が下がりそうなら、そういうことも考えて金銭的にゆとりをもてる家を探していったほうがいいと思います。
その③:不動産屋では地域情報をたっぷり集めておく
いよいよ本格的に家を見つける時期になったら、実際に移住先地域の不動産屋に行きましょう。
大手の不動産屋でもいいですが、地域密着型の不動産屋であれば、一般的な不動産物件サイトに掲載されていない地元の物件情報をもっていることがあります。
地方では、同じ市内でも、ちょっとエリアがズレるだけで生活の不便さや暮らし方が大きく変わることがあります。
事前にネットで物件の目星をつけている場合も、ぜひそれ以外の物件情報がないか確認して、少しでも気になる物件は実際に内見してみるのがおすすめです。
また、不動産屋は地域のさまざまな情報をよく知っていますので、物件探しをしながら生活上で気になることはどんどん聞いておくとよいでしょう。
不動産屋にも相性があります。他の地域からの引っ越しになることを伝えたとき、地域の情報を丁寧に教えてくれる店で探すことをおすすめします。
まとめ:地方移住の家探しは慎重に。目と足を使って確かめよう!


地方移住の家探しを成功させるポイントは、以下の3つです。
- 移住後の理想のライフスタイルを具体的にイメージする
- ネットを活用して物件情報や地域情報を集める
- 最終的には直接足を運び、自分の目で納得いくまで確認する
急な転勤など時間がないなかでの家探しだと、実際に引っ越し先を訪れず、物件を見ずに申し込んだり契約したりする人もいるようです。
でも、地方移住の場合にあたっては、それは絶対にやめておきましょう。
多くの地方移住をする人の目的は、「もっと自分らしくのびのびと生活したい」「理想のライフスタイルを実現させたい」といったものではないでしょうか。
生活の基盤となる家に満足できるかどうかは、地方移住の充実感にもつながってきます。
ぜひ地域選びと同じくらい、家探しにもじっくり取り組んでみてくださいね。