エクスプレッシブ・ライティングとは?効果的なやり方、ジャーナリングや日記との違いも紹介

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こんにちは。ライター兼ライフデザインカウンセラーの山﨑です。

モヤモヤした気持ちを抱えたまま、なんとなく過ごしてしまうことはありませんか?

忙しい日々の中で、じっくりと自分の気持ちに向き合う時間を持つのは難しいもの。
そんなときに役立つのが、「エクスプレッシブ・ライティング」という書く習慣です。

これは、思ったことや感じたことを自由に書き出すことで、心の整理をし、ストレスを軽減する方法。
心理学の研究でも効果が認められており、シンプルながら奥深い手法として注目されています。

「日記やジャーナリングとはどう違うの?」「どんなふうに書けばいいの?」
この記事では、そんな疑問にもお答えしながら、エクスプレッシブ・ライティングの魅力とやり方をわかりやすくご紹介します。

この記事がおすすめの人
  • 気持ちを整理するのが苦手な人
  • 頭の中がモヤモヤしてスッキリしない人
  • ジャーナリングや日記との違いを知りたい人
  • 書くことで心を軽くしたい人

書くことで気持ちをすっきりさせたい、頭を整理したいなどと考えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

目次

エクスプレッシブ・ライティングとは?

エクスプレッシブ・ライティング(Expressive Writing)とは、感じたことや考えたことを自由に書き出すことで、心の整理をする手法です。

直訳すると「表現的な書くこと」となりますが、これは単なる日記や記録ではなく、 「感情をありのままに書き出す」ことが大事なポイントになります。

この方法を提唱したのは、心理学者のジェームズ・ペネベイカー博士。
彼の研究によると、エクスプレッシブ・ライティングを習慣にすると、 ストレスの軽減や自己理解の向上につながることが明らかになっています。

「なんとなくモヤモヤする」「気持ちがうまく整理できない」そんなときに役立つのが、エクスプレッシブ・ライティングといえます。

日記・ジャーナリングとの違い

エクスプレッシブ・ライティングは、書くことで心を整理する方法のひとつですが、よく似た習慣として「日記」や「ジャーナリング」があります。

それぞれの特徴を理解すると、自分に合った書き方が見つけやすくなります。

日記との違い

日記は 「出来事の記録」 がメインになります。その日あったことを書き残すことで、振り返ったときに思い出を残せるのが魅力です。

エクスプレッシブ・ライティングの場合、 何があったか」よりも「その出来事をどう感じたかを書くことが大切です。

たとえば、日記なら「今日は上司に褒められてうれしかった」と書くところを、エクスプレッシブ・ライティングでは「なぜうれしいと感じたのか? それは過去のどんな経験と関係があるのか?」といったように、感情の奥を掘り下げていきます。

ジャーナリングとの違い

ジャーナリングは、「思考や気持ちを自由に書き出すこと」を目的とした書く習慣です。
書き方には決まりがなく、テーマを決めてもいいし、その日の気分で好きなように書いてもOK。

一方、エクスプレッシブ・ライティングは「感情の深掘り」に特化しているのが特徴。
自分の気持ちをしっかり見つめ、普段は意識していない感情まで書き出していきます。

たとえば、ジャーナリングでは「今日は○○をして楽しかった!」と記録することがあるのに対し、エクスプレッシブ・ライティングでは「なぜ楽しかったのか? その感情の奥にどんな思いがあるのか?」と深掘りしていくイメージです。

どれを選べばいい?

「どの書き方が正解」というものはなく、目的によって使い分けるのがおすすめです。

エクスプレッシブ・ライティング、ジャーナリング、日記の違いを簡単にまとめると、次のようになります。

種類目的書き方の特徴
日記出来事の記録・振り返りその日の出来事や感じたことを書く
ジャーナリング思考や気持ちを整理する書き方のルールはなく、自由に書く
エクスプレッシブ・ライティング感情を深く掘り下げる感じたことを率直に書く(テーマや制限時間を決めることも)

つまり、エクスプレッシブ・ライティングは「感情の表現」に重点が置かれており、「何を書くか」よりも「どんな気持ちで書くか」が大切になります。

「モヤモヤするけど、言葉にしづらい」「本当の気持ちが自分でもよくわからない」そんなときに、思いのまま書いてみることで、少しずつ気持ちが整理されていくのです。

あらためて、3つの違いを整理しています。

  • 日々の出来事を残したい → 日記
  • 思考を整理したい → ジャーナリング
  • 感情を深掘りしたい → エクスプレッシブ・ライティング

そのときの気分や状況に合わせて、いろいろ試してみるのが一番です。
「なんとなくモヤモヤする」「気持ちをスッキリさせたい」と感じたら、エクスプレッシブ・ライティングを試してみるのもいいかもしれません。

書く習慣としてジャーナリングも気になる人は、こちらの記事もどうぞ。

エクスプレッシブ・ライティングの効果

エクスプレッシブ・ライティングは、ただ感情を書き出すだけでなく、心や思考にさまざまな良い変化をもたらしてくれます。
ここでは、その代表的な効果を紹介します。

① 感情を整理し、心がスッキリする

モヤモヤした気持ちや漠然とした不安を抱えているとき、頭の中だけで考えようとすると、同じことをぐるぐると考えてしまいがちです。

エクスプレッシブ・ライティングでは、「何を感じているのか?」を紙の上にすべて吐き出すことで、思考や感情を客観的に見つめられるようになります。

書き出すことで気持ちが整理され、心が軽くなったり、スッキリしたりするのを感じられるでしょう。

② 自分の本当の気持ちに気づける

普段、私たちは無意識のうちに「こうあるべき」「こうしなければ」と自分に制限をかけてしまうことがあります。

でも、書くことで「本当はどう思っていたのか?」が浮かび上がることがあります。

たとえば、「なんだかイライラする…」と思っていたけれど、書き出してみると「実は本当は寂しかったのかも」と気づくことも。
書くことで、心の奥にある感情にアクセスしやすくなるのです。

③ ストレスを軽減し、心の安定につながる

研究でも、エクスプレッシブ・ライティングがストレス軽減やメンタルヘルスの向上に役立つことが示されています。

感情を押し込めるのではなく、書くことで外に出すことで、ストレスが和らぎ、心が安定しやすくなるのです。

特に、不安やネガティブな気持ちを抱えているときに書くことで、「大丈夫、こんなふうに考えればいいかもしれない」と前向きな視点が生まれることもあります。

④ 自己理解が深まり、自己肯定感が高まる

自分の気持ちを言語化することで、「自分はこういうことを大切にしているんだな」「こんな価値観を持っていたんだ」と気づくことができます。
これは、自己理解を深める大きな手がかりになります。

また、過去の出来事を書きながら、「あのとき自分はよく頑張っていたな」と気づくことも。
自分の気持ちや行動を振り返ることで、自己肯定感を高めるきっかけにもなります。

⑤ 目標や理想の生き方が明確になる

エクスプレッシブ・ライティングを続けていくと、自分が何を大切にしたいのか、どんな生き方をしたいのかが見えてくることがあります。

「今の自分にとって本当に大切なものは何か?」「どんな未来を望んでいるのか?」といったことを自由に書くことで、進みたい方向がはっきりしてくるのです。

何かに迷ったときや、人生の選択をするときの手がかりにもなります。


エクスプレッシブ・ライティングのやり方

エクスプレッシブ・ライティングは、自由に思ったことを書き出すシンプルな方法ですが、効果を最大限にするための基本ルールがあります。

さらに、無理なく続けるためのコツも押さえておくと、よりスムーズに実践できます。

基本ルール:効果的に書くためのポイント

エクスプレッシブ・ライティングを実践するときは、次の4つのルールを意識してみましょう!

ポイント① 時間を決めて書く

1回のライティングは10~20分程度を目安にしましょう。
あらかじめ時間を決めておくと、「とにかく今は書こう!」というモードになり、考えすぎることなく集中できます。

ポイント② 感じたことをそのまま書く

正しく書こうとせず、「いま、心にあること」を素直に書くことが大切です。
文章の構成や言葉遣いは気にしなくてOK。たとえば、「今日はなんとなく気分が晴れない」「なんでこんな気持ちなんだろう?」など、自由に書き出してみましょう。

ポイント③ 誰にも見せない前提で書く

「誰かに読まれるかも」と思うと、本音を書くのが難しくなりますよね。

でも、エクスプレッシブ・ライティングは完全に自分だけのものだからこそ、どんなことを書いても大丈夫です。

ポイント④ 書いた後に読み返さなくてもOK

エクスプレッシブ・ライティングは、「書くこと」そのものが大切なので、必ずしも振り返る必要はありません。
ただ、あとで自分の気持ちの変化を知りたい場合は、時間をおいてから読み返すのもおすすめです。


やってみるときのコツ:続けやすくする工夫

エクスプレッシブ・ライティングを習慣にするために、続けやすくなるコツを紹介します。

① 書く時間を決めておく

毎日決まった時間に書く習慣をつけると、自然と続けやすくなります。
朝起きたとき、寝る前、昼休みなど、自分に合う時間を見つけてみましょう。

② 書く環境を整える

リラックスできる場所で書くのも大事なポイント。
静かな場所を選んだり、お気に入りのノートやペンを使ったりすると、気持ちが落ち着いて書きやすくなります。

③ 書くのが難しいときは「いまの気持ち」から始める

「何を書けばいいかわからない…」というときは、「いまの気分」を言葉にするだけでもOK
「なんだかモヤモヤする」「少し疲れているみたい」といったシンプルな言葉でも、書き出すことで気持ちが整理されていきます。

④ 書くことを楽しむ

義務感で続けるのではなく、「書く時間がちょっとした気分転換になる」くらいの感覚でOK。
気軽に試しながら、自分に合った書き方を見つけていきましょう!

まとめ:書くことの力を活用しよう

エクスプレッシブ・ライティングは、心の整理やストレス軽減に役立つシンプルな方法です。

日記やジャーナリングと比べると、「正直な感情を書き出すこと」にフォーカスしているのが特徴ですが、大切なのは 自分に合った書き方を見つけること。

「なんだかモヤモヤする」「気持ちを整理したい」と感じたら、まずは難しく考えずに、思ったことをそのまま書き出してみてください。

たった数分でも、書くことで気持ちが軽くなったり、思いがけない気づきを得られたりするかもしれません。

ぜひ、自分の心と向き合う手段のひとつとして、気軽に試してみてくださいね!

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