嘘偽りのない、自分の本当の気持ちを大切にする(シリーズVol.4)

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こんにちは。ライブデザインカウンセラーの山﨑です。

あなたは普段、自分の本音をどれくらい口にしていますか?

「こんなことを言ったら嫌われるかもしれない…」
「どうせ本音なんて言っても伝わらない…」

そんなふうに思って、つい周囲に合わせてしまうこと、ありませんか?
きっと、多くの人がそうした経験を持っているでしょう。

もちろん、社会の中で生きる上で、常に好き勝手に発言するわけにはいきません。
場の空気を読んだり、相手を思いやったりすることは、円滑なコミュニケーションにおいて重要な要素です。

それでも私は、「本音」、つまり「嘘偽りのない気持ち」こそ、自分らしく生きるために大切にすべきものだと考えています。

世間の価値観にも一般常識にも影響されない、自分の本当の心の声をちゃんと聴くこと。

これが、満ち足りた人生を歩むためには大切です。

この記事では、本音を隠し続けることは、私たちの心にどのような影響を与えるのか。
そして、本音を大切にすることで、どんな生き方ができるのか。

この記事では、そうしたテーマについてお話しします。

目次

本音とは

本音とは、「嘘偽りのない本当の気持ち」のこと。

「楽しい!」「うれしい!」といったポジティブな感情はもちろん、「嫌だな…」「面倒だな…」といったネガティブな感情も含め、ありのままの気持ちを表現したものが本音です。

本音には、ありのままの自分が詰まっています。

だからこそ、本音を言える場面があると、私たちは安心感を覚えます。

逆に、本音を押し殺すことが習慣になると、自分の気持ちがわからなくなったり、息苦しさを感じたりすることが増えていきます。

なぜ、本音が言えなくなるの?

「本音と建前」という言葉があるように、私たちは成長するにつれて、本当の気持ちを表に出すことが少なくなります。

その理由はひとつではないでしょう。

しかし、その重大な背景として、社会の「同調圧力」があるのではないかと、私は考えています。

子どもの頃から、「周りに合わせること」が求められる場面は多くあります。

学校では、少し違う価値観や行動をするだけで「変わってる」と言われる。
会社では、個人の意見よりも「上司や組織の意向に従うこと」が優先されがち。

もちろん、昔に比べれば「個性を大事にする文化」は広がっていますが、それでも「本音を言うと浮いてしまう」「否定されるかもしれない」という不安を感じる人は多いでしょう。

「本音を言ったら嫌な思いをした」
そんな経験が積み重なれば、本音を言うことに対するハードルがどんどん高くなってしまうのも無理はありません。

本音を言わないことの弊害

本音をあえて隠すことは、場の空気を乱さないための知恵でもあります。
しかし、長期的に見たときに、本音を押し殺し続けることは、私たちの心に大きな負担をかけます。

たとえば、次のような影響が考えられます。

  • 自分の本当の気持ちがわからなくなる
    「本当は何がしたいのか?」「どう生きたいのか?」という問いに、自分で答えられなくなる。
  • 人間関係が表面的になる
    本音を言えない関係では、相手と深い信頼関係を築くことが難しい。
  • ストレスが溜まり、心が疲れる
    言いたいことを飲み込む生活が続くと、モヤモヤが積もり、精神的な負担が増えていく。

本音を抑えることが続けば続くほど、自分自身が何を大切にしているのか、どうなりたいのかも見失ってしまいます。

私たちが健康的に、充足感を味わって生きるためには、やはり本音を大事にしなくてはなりません。

「本音を言う」とは、誰かを傷つけることではない

「本音を言うのが大事」と聞くと、「でも、本音を言うと相手を傷つけるのでは?」と不安に思う人もいるかもしれません。

たしかに、伝え方を考えずに率直な気持ちをぶつけるだけでは、人間関係がギクシャクしてしまうこともあります。

だからこそ、「自分の気持ちを大切にしながら、相手のことも思いやる伝え方」 を意識することが大切です。

心理学では、こうした伝え方を「アサーション」と呼びます。

アサーションとは、「自分も大切にし、相手も大切にする」コミュニケーションのスキル。
たとえば、「私はこう思う」という気持ちを正直に伝えながらも、「あなたはどう思う?」と相手の意見を尊重する姿勢を持つことが、アサーションの基本です。

本音を伝えることと、人間関係を大切にすることは、決して相反するものではありません。

ちゃんと考えて、ちょっとした配慮をすれば、自分の本音も、他者も、どちらも大切にできます。

これを知っておくだけで、「本音を大事にすること」が、ちょっと怖くなくなりませんか?

本音と本音がぶつかったときに、心のつながりが生まれる

本音には、人の心を動かす力があります。

表面的なやりとりではなく、心の奥底から湧き出る「本当の気持ち」こそが、人と人との深いつながりを生み出すのです。

たとえば、あなたが「本当はこう思っているんだけど…」と勇気を出して話したとき、相手が意外にも「実は私も同じことを考えていた」と答えてくれたことはありませんか?
あるいは、一時的に衝突したとしても、じっくり話すうちにお互いの考えを理解し合い、前よりもずっと強い信頼関係が生まれた経験はないでしょうか。

本音は、ときにぶつかることもあります。
相手と意見が合わないこともあるでしょう。

でも、それは「わかり合えない」ということではなく、「わかり合うための第一歩」です。

本音と本音がぶつかることで、お互いの価値観や考えがより深く理解できる。

そして、そこから生まれるのは、表面的な関係ではない、本当の意味での「心のつながり」です。

私たち人間は、本来そうした「つながり」を求めているのではないでしょうか。

私たちは、自分の本音を押し殺すために生きるわけではありません。

いつでも自分らしさを大切にするため、そして周りとより深く理解し合って生きるために、本当の気持ちをできる限り相手に配慮しながら伝える工夫をする。

これこそが、大切だと考えています。

おわりに

本音を大切にすることは、自分らしく生きるための第一歩です。

私たちは時に、本音を抑えて周りに合わせたり、気持ちを飲み込んだりしてしまいます。
けれど、自分の気持ちに正直になることで、本当にやりたいことや望む生き方が見えてくるはず。
そして、本音を伝え合うことでこそ、深いつながりが生まれます。

とはいえ、いきなり本音をすべてさらけ出すのは難しいもの。
少しずつでいいので、自分の気持ちを見つめ、言葉にする練習をしてみてくださいね。

もし「本当の気持ちがわからない」「本音を口にするのが怖い」などと感じることがあったら、いつでもご相談ください。

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