フリーランスって本当に自由? 孤独や不安と向き合うためのヒント

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こんにちは。ライター/ライフカウンセラーの山﨑です。
私は2社での会社勤めを経て、独立。フリーランス歴は約12年(2024年時点)になります。

これまで、人に「フリーランスです」と話すと、「自由でいいですね!」または「大変そうですね…」といった言葉が返ってくることがありました。

たしかに、フリーランスは、さまざまな点において会社員と違いがあります。自由な面も、大変な面も、どちらもあるのは確かです。

ただ、同時に思うことがあります。

それは、「フリーランスの自由の中身と、その背後にある大変なことは、どれくらい正しく理解されているのかな…?」ということ。
なんとなくイメージだけで「自由そう」「大変そう」と思っている方も、実際には多いのではないかなと思うのです。

そこでこの記事では、フリーランスは本当に自由なのか、その裏にはどんな大変さがあるのか、私の実体験も踏まえてまとめてみます。

また、フリーランスは働き方の特性上、どうしても不安な気持ちが募ったり、孤独感を味わったりすることも…。
ですので、フリーランスになった人が「孤独でつらい」と感じてしまったときにどう対処したらいいかもお伝えします。

これからフリーランスになりたい人や、すでにフリーランスとして活動していて、なんとなく行き詰まっている人などの参考になれば幸いです。

目次

フリーランスって本当に自由?

「自由」とは、私たちの日常生活でもよく耳にする言葉です。でも、そもそも「自由」とは、どんなことを意味するのでしょうか?

多くの辞書では「自由」の意味として「自分の意のままに振る舞うことができること」と書かれています。

たしかに、基本的にフリーランスは、働く時間も、場所も、いつ・どれだけ休日を取るかも、誰かに指示・命令されることなく決められます。どんな仕事をするのかも自分次第。

「いろんなことを自分で好きに決められる」という点において、会社などに雇われている人に比べれば、圧倒的に自由度は高いといえるでしょう。

本当の自由とは「自分の生き方の責任を自分でとれるようになること」

ただ、「自由」という言葉は、仏教の考え方では少しニュアンスが異なります。

もともと自由の「由」という字には、「よる」「もとづく」といった意味が含まれています。
この「由る(よる)」とは、「物事の原因となること」を指します。

つまり、仏教における自由とは、「自らに由る」ということ。もっとわかりやすくいうと、自分の生き方を自分でしっかり見出し、他者や環境のせいにせず、すべての原因が自分にあるものとして生きる姿勢を意味します。

さらにその先には、「あらゆる束縛から解き放たれた境地」こそが本当の自由である、という考え方があります。

実際、そこまで自由に生きている人は、フリーランスの中でも少ないかもしれません。
(私自身も、世の中のいろいろなものに縛られている部分がゼロとは言えません)

それでも、私が本当に求めるのは、辞書的な意味での「自分勝手にふるまう自由」ではないのも確かです。

むしろ「自分に起こるすべてのことを引き受ける責任や覚悟で生きたい!」と思っています。

もちろん、そんな簡単にはいかないこともあります。でも、まず「自分はこう生きるんだ!」という覚悟や信念を持つこと。その想いこそが、本当の自由を手に入れていくために大事なのだと考えています。

フリーランスは孤独や不安とも隣り合わせ

そうはいっても、フリーランスはただ楽しいだけの働き方ではありません。

「このままでいいのだろうか?」「もっと努力すべきではないか?」といった漠然とした不安や、周囲に同じ立場の仲間が少ないことによる孤独感。
それらはフリーランスとして活動する中で、多かれ少なかれ誰もが感じうるものです。

でも、不安や孤独を感じたとしても、それらを受け止めながら、自分を信じて進んでいくことができるかどうか――。

それが、「こういう生き方をしたい!」という、本当の意味での「自己実現」に向かえるかどうかの、大きな分かれ目となってきます。

心身の状態を整え、本当の自己実現を目指して生きる

ここからは、フリーランスが本当の自由を手に入れて、自己実現(こうありたいという理想の姿)に向かって生きるために、どんなことを大事にすればいいかをお話します。

どんなフリーランスでいたいのかをイメージする

ひとことで「フリーランス」といっても、働き方やライフスタイルは多様です。

自分のスキル・経験を武器にしてクライアントから仕事を請け負う形をメインにするのか、それとも自分で事業を考えて動かしていくのか(起業に近い形)によっても、スタイルは大きく変わってきます。

また、フリーランスは24時間をどう使うかも自分で決められるからこそ、プライベートも含め、どのような生活を送りたいのかをしっかり考えることが大事です。

これには正解がありません。

自分の信念・価値観にもとづいて本当に望むライフスタイルを追求していくことも、フリーランスの大きな醍醐味です。

逆にいうと、その辺りがふわっとしたまま過ごしてしまうと、その時々の状況に流されて、せっかくフリーランスになってもあまり自由が感じられない状態に陥ってしまう可能性があります。

フリーランスを目指すのであれば、フリーランスになることをゴールとせずに、「フリーランスとしてどうありたいのか」「どんな暮らしがしたいのか」まで深く考えることを大事にしてほしいです。

健康な体があってこそ、自由に働ける

まず、なによりも大切なのは、自分の体をいたわること。

フリーランスは、自分の頑張りがそのまま収入に結びつくこともあり、普段からつい「もうちょっといけるかも」と無理をしてしまいがちです。

また、軌道にのって仕事が忙しくなってくると、次々に案件の依頼が舞い込み、どうしても仕事を抱え込んでしまうこともあるでしょう。

でも、その「ちょっとした無理」が積み重なると、ある日ドッと疲れが出てしまうこともあります。

フリーランスにとって「商売繁盛」はうれしいことですが、一人でやれることには限界があります。

目の前の仕事に追われ過ぎて余裕がなくなると、体が思うように動かなくなるばかりでなく、「なんでフリーランスになったのか」すら見失ってしまう日もあるかもしれません。

それでは、せっかくフリーランスになっても、まさに本末転倒。しかも、体調不良で仕事が思うようにできなくなれば、大きな収入減となってしまうリスクもあります。

だから、ときには少し立ち止まって休憩し、少し先を見据えた働き方や生き方をあらためて考え、行動すること。それは、自分の本当の理想の生き方を見失わないためにも、とても大事だと思います。
(私自身も、これまでつい無理をしてしまうことがあったので、自戒を込めて…)

整った心が、仕事の質を高める

そしてもうひとつ、体だけではなく「心のケア」も、ものすごく重要です。ある意味、こちらのほうが疎かになりがちで、より大事だと言えるかもしれません。

フリーランスはひとりでいろんなことを決めて動かないといけないので、ときにはプレッシャーや責任感でいっぱいになり、「つらい」「苦しい」と感じてしまうこともあるものです。

また、会社で働く人と比べて人間関係が希薄になりやすいのも、フリーランスならでは。
孤独感に苛まれ、物事をどんどん悪い方向に考えてしまったり、やる気が落ちてしまったりすることもあるかもしれません。

そんなとき、できるだけ早く心を整えるために、自由に気持ちを吐き出し、心のつながりを感じられる安全な場所を持っておくことが大切です。

ちょっとした悩みや不満なら、家族や友人に話すのもいいでしょう。でも、意外と近しい人ほど本音を言いにくい場合もあります。

そんなときは、私のようなカウンセラーに頼ってみるのもひとつの方法です。なお、私自身も信頼できる先輩カウンセラーに相談することで、心の状態を整え、しっかりとエネルギーを蓄える時間を作っています。

そこまで重たい話でなくても、日常のちょっとした気持ちのモヤモヤを口にするだけで、心はとてもスッキリします。

心は目に見えませんが、何もケアをしなければ日々の暮らしの中で少しずつ傷ついたり、錆が出てきたりしてしまうものです。日々の小さなストレスや悩み、不安は、早いうちに解消するに越したことはありません。

どうか、日頃から体だけではなく、心の状態もしっかりと気にかけてください。そうすれば、本当につらくて何もできない状態になる前に、活動的に仕事に向き合いやすくなるはずです。


フリーランスは、会社員と比べていろいろな自由がありますが、ただ楽なだけではありません。
そして、本当に自分らしい幸せな人生を実現するためには、「自分の生き方の責任を自分でとる」気持ちが大事です。

ぜひ日頃から自分の体と心を大事にし、無理なくフリーランスの生活を楽しんでいただけることを願っています。

なお、私自身は長年のフリーランス経験も活かし、フリーランスになりたい方や、フリーランスとして行き詰まっている方のご相談にのっています。

現状を変えたい方、今後の生き方・働き方に迷いや不満が生じてしまった方など、「自分らしい生き方」を模索する中で困っていることがあれば、いつでもお気軽にご相談くださいね。

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