こんにちは。ライフデザインカウンセラーの山﨑です。
誰かの輝かしい成功や、SNSにあふれる楽しそうな日常を見て、「私、何をしてるんだろう…」と自分が小さく感じたり、焦ったりしたことはありませんか?
本来、私たちはそれぞれ違う人生を歩んでいて、目に映る他人の姿は、その人のほんの一部にすぎません。
けれど、心に余裕がないときや、物事が思うように進まないときには、つい他者と自分を比べてしまい、落ち込むこともありますよね。
まず知っておいてほしいのは、「比べること自体が悪いわけではない」ということ。そもそも人間は本能的に比べる生き物なので、比較を完全に避けることは難しいです。
ただ、もし他者と自分を比べすぎて心が疲れてしまったら、毎日がしんどくなってしまいます。それはなんだかもったいないですよね。
この記事では、人と比べる気持ちに振り回されず、自分らしい道を歩むための5つの考え方をご紹介します。
- 人と比べて落ち込むのをやめたい
- 自分ばかりがうまくいっていない気がする
- 他人軸から自分軸に変えたい
こんな思いを抱えている方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
なぜ、人は人と比べてしまうのか?
「どうして自分は、つい他人と比べて落ち込んでしまうんだろう…?」
そんなふうに悩んだことがある方は多いかもしれません。
ここでは、人が他者と比べてしまう理由を簡単に説明します。
比較は「自分を守る」ための本能からくる
人と自分を比べてしまうのは、人間の本能的な特徴のひとつです。
心理学の世界では、「社会的比較理論」という考え方があります。これは、人が自分の立ち位置や価値を確認するために、周りの人と比べるという性質を持っているというものです。
昔の時代、私たちの祖先は集団で生きることで身を守っていました。
集団の中で「自分の役割」や「立場」を意識し、仲間と比べて自分の強みや弱みを理解することが生存につながったのです。
この人間の本能は、現代社会でも残っています。
ですから、誰かと比べることは、ある意味では当然の行為ともいえるわけですね。
日本人は特に比較をして一喜一憂しやすい
人間は少なからず他人と自分を比べるものですが、一般的に、以下のような傾向をもつ人は比較をしてしまいやすいといわれます。
- 完璧主義な傾向がある人
「もっと頑張らなければ」「自分はまだ足りない」と感じやすく、他人と比べて理想とのギャップを探してしまうことがあります。 - 自己肯定感が低めの人
自分自身を認める力が弱いと、他人の優れた部分に目がいきやすく、「自分はダメだ」と思いやすくなります。 - 他人の評価を気にしやすい人
「どう思われているか」が気になる人は、他人と自分を比較し、その結果に一喜一憂しがちです。 - SNSを頻繁にチェックする人
キラキラとした他人の投稿を見て、「自分にはこれがない」と不足感を抱きやすくなります。
ただし、これらの特徴に当てはまるからといって、必ずしもネガティブな影響を受けるとは限りません。たとえば、SNSを頻繁に見ても落ち込むどころか、他者から刺激を受けて、それをモチベーションにつなげる人もいます。
また、「比べすぎてしまうこと」には、気質や生い立ち、仕事、生活環境など、さまざまな要素が絡んできます。
さらに、日本はもともと、欧米のように一人ひとりの個性や価値観を尊重する文化よりも、「みんなと同じであること」「はみ出さないこと」が重視されがちです。
仲間外れを避けるために周囲の目を気にする人が多く、その結果、「周りと比べて自分はどの立ち位置にいるのか」を気にしすぎてしまう傾向があるともいえるでしょう。
比較の「良い面」と「悪い面」
「比較」という言葉には、どこかネガティブなイメージがつきものです。
でも、実は比べることにはポジティブな面もあります。
他人の努力や成果に刺激を受けて、自分の成長につなげることができるからです。
たとえば、誰かを見て「あの人みたいになりたい!」「私ももっと頑張れるかも」と感じたとき、その気持ちが前向きなエネルギーとなって、次の一歩を踏み出す力になることがあります。
一方で、比較が行きすぎると、「自分なんてダメだ」「どうしてこんなに劣っているんだろう…」といった自己否定や不安につながることも…。
私たち人間は、魅力的な面も、醜い面も、どちらも持っているのが本当の姿。
でも、多くの人は、自分の嫌な部分、ネガティブな部分を、社会の中で隠そうとして生きていきます。だから、自分よりも他者のほうが、どうしても良く見えてしまうところもあるのです。
それを理解しておかないと、つい自分自身の足りないところ・不足していることばかりに目が向いてしまい、「自分はダメだ…」という気持ちを強めてしまうことがあります。
人と比べて疲れないようにするための5つの考え方
人と比べる自分に気づいたとき、「また比べてしまった…つらい」と自分を責める必要はありません。
ただ、その比較があなたの心を苦しめているなら、その気持ちに優しく目を向てください。
そして、少しずつ「人と比べる」から「自分自身を大切にする」へ、考え方をシフトしていけるといいですね。
ここでは、比較で苦しまないための考え方のポイントを5つ紹介します。
1.自分を少しずつ受け入れることから始める
他者は優れていて、自分はどこまでも劣って見える。自分に厳しい人ほど、そう考えてしまいがちです。
そうやって自分を責めるクセから解放されるために、まずはそのままの自分を「今はこうなんだな」と受け入れることから始めてみましょう。
自分を受け入れるために、何か特別なことをする必要はありません。たとえば、できなかったことよりも「今日ちょっとだけ頑張ったこと」に目を向けてみることや、「こんな日もあっていいよね」と自分に言ってあげるだけでも十分です。
人と比べると、どうしても自分の足りない部分が目についてしまいがち。でも、自分は自分、他人は他人。それぞれに違う良さやペースがあります。
少しずつ「自分にとって大切なこと」を見つけていければ、それで十分なんです。
焦らなくても大丈夫。今日のあなたがどんな状態でも、それを受け止めてみてください。
2.完璧を求めず、小さな一歩を認める
他者と自分をしょっちゅう比較してしまう人には、「自分がもっと完璧でなければならない」という思い込みがあるかもしれません。
しかし、誰もが完璧な人間ではありませんし、完璧を求めることでかえって自分を追い詰めてしまうこともあります。
大切なのは、「小さな一歩を認める」という考え方です。毎日少しずつでも前に進んでいることに目を向け、それを自分で褒めてあげましょう。たとえば、こんなことでもOKです。
- 「今日は忙しかったけど、あの作業を終わらせた自分、よくやったと思う」
- 「ちょっと苦手だった人に話しかける勇気が出せた」
- 「イライラを抑えて少しでも笑顔になれる時間を作れた」
たとえ小さく見えることでも、前に進んでいる自分を認める習慣が身につけば、人と自分を比べる必要が少しずつ薄れていきます。他人の基準ではなく、「今日の自分」という基準を作ることで、心に余裕が生まれるのです。
完璧であることを目指すのではなく、「できたこと」にフォーカスして自分を認める。そうした小さな積み重ねが、自分らしい幸せを育てる力になっていきます。
3.自分の「幸せの基準」を見つける
人と比べてしまう理由にはもうひとつ、「自分が何を大切にしているのかわからなくなる」ということもあります。
周りの評価や他人の成功が気になってしまうのは、自分の中にしっかりとした「幸せの基準」がないときに起こりがちです。
そこで、まずは「自分にとって何が大切か」をゆっくり考えてみる時間を持ってみましょう。
具体的には、以下のような問いを自分に投げかけてみてください。
- 「自分が本当に楽しいと感じることは何だろう?」
- 「どんなときに心が穏やかでいられるだろう?」
- 「どんなことをしている自分に満足を感じるだろう?」
たとえば、「休日に自然の中で過ごすと心が落ち着く」「家族と一緒に食事をする時間が大好き」といった答えが浮かんでくるかもしれません。
そうした答えは、誰かの理想の生き方ではない、あなた自身の「幸せの基準」につながるものです。
自分の基準を持つと、他人の生き方や成功を見ても「それはその人の基準」と思えるようになり、比べること自体が減っていきます。
他人の軸ではなく、自分の軸で生きることで、心が軽くなる瞬間が増えていくはずです。
4.マイペースを大切にする
人と比べてしまうとき、私たちはつい相手のスピードや成果に目を奪われがちです。
でも、誰もが同じペースで生きているわけではありません。
私たちはそれぞれ異なる環境や状況、そして歩んできた道があります。
その違いを無視して、他人と比べて焦ってしまうのは、心にとって負担が大きすぎることもあります。
自分のペースを大切にするというのは、自分の気持ちや体調をしっかりと感じ取り、「今の自分にできること」を見つけていくことです。
それは他人のペースに合わせることではなく、自分が無理せず続けられるリズムを見つけること。
たとえば、少し疲れていると感じたら、休む時間を優先してもいい。周りと比べて遅く感じることがあっても、自分のペースで確実に進んでいれば、それで十分です。
大切なのは、目的地にたどり着くことではなく、自分の道を自分らしく歩むこと。
他人と比べるのではなく、歩んできた自分の道を振り返ってみてください。
そこには、あなたらしい一歩一歩が刻まれているはずです。
5.自分を肯定する力を少しずつ育てる
「自分を肯定する」ことも、比較から解放されることにつながります。
なお、ここでいう「自分の肯定」とは、決して自分のすべてを無理に好きになったり、無理して自信を持とうとしたりすることではありません。
それは、完璧でなくてもいい、失敗してもいい、そんな自分も認めてあげる柔らかい心を持つことです。
たとえば、次のような言葉を自分にかけてあげることから始めてみましょう。
- 「今日はこれだけでも頑張れた、自分はえらい!」
- 「思った通りにいかなかったけど、次に活かせるヒントを見つけられた」
- 「疲れているんだね、少し休んでもいいよ」
最初はぎこちなくても、こうした優しい言葉を少しずつ習慣にしていくと、不思議と心が軽くなる瞬間が増えていきます。
自分を肯定するスキルは、一朝一夕で身につくものではありませんが、小さな意識の積み重ねが大切です。
また、日々の中で「自分ができたこと」「ちょっと嬉しかったこと」を書き留める習慣も、自分を肯定する力を育てる助けになります。
どんなに小さなことでもOK。たとえば、「朝、早起きできた」「久しぶりに友達と話せて楽しかった」など、ポジティブな体験を振り返ることで、自分の価値を実感するきっかけになります。
他人の基準ではなく、自分の基準で、自分を少しずつ肯定していく。
それができるようになると、心に穏やかさが生まれ、人と比べる必要が減っていきます。
自分だけの道を見つけるために、まずできること
人と比べてしまうことは、誰にでもある自然な感情です。
でも、あなたがこれまで歩んできた道や感じてきたことは、誰とも同じではない、あなただけの大切な物語です。
他人の基準に振り回されるのではなく、「自分の基準」を少しずつ見つけていくこと。
自分に優しくなり、ほんの少しでも「これでいいんだ」と肯定できる瞬間が増えることで、心が軽くなる日がきっとやってきます。
とはいえ、そう思える日ばかりではないですよね。「どうしても比べてしまってつらい…」「何が自分にとって大事なのかわからない…」そんな日もあると思います。
そんなときは、ぜひ一人で抱え込まずにご相談ください。
カウンセリングの中で、自分では整理できなかったモヤモヤや感情が、対話を通じて少しずつ解きほぐされていく感覚を、きっと味わっていただけるはずです。
「自分はどうしたいのか?」「何が大切なのか?」
あなたがあなたらしい道を見つけるお手伝いを、心を込めてさせていただきます。
どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。