こんにちは。カウンセラーの、やまももです。
私はこれまで、フリーランスとして13年ほど活動してきました。
調子のよいとき、落ち込んでしまうとき…いろんな瞬間があり、フリーランスの楽しさも大変さも、味わいました。
フリーランスは自由な働き方ができる反面、「自分の価値」を常に感じながら仕事をすることになります。
クライアントからの評価や案件の増減、収入の波に振り回されることもあり、精神的に不安定になりやすい面も…。
そんなフリーランスの生活を充実させるために大事なことのひとつが、「自己肯定感」と「自尊心」。
「どんな自分でもOK!」と思える自己肯定感と、「自分には価値がある」と思える自尊心がしっかり育っていると、仕事に振り回されずに安定した気持ちで働きやすくなります。
この記事では、フリーランスにとって自己肯定感がなぜ大切なのか、自尊心との違いを踏まえながら「メンタルを安定させるためのヒント」をお伝えします。
- フリーランスとして働く中で、気持ちが不安定になりやすい人
- クライアントの評価や周囲の目に振り回されてしまうと感じる人
- 自分の価値や存在意義について、ふと立ち止まって考えることがある人
よい状態をできるだけ保つために、自分としっかり向き合うことがなぜ大切か、少しでも感じていただけたら幸いです。
自己肯定感とは
フリーランスという働き方を続けていると、ふと「自分ってこれでいいのかな?」と立ち止まることがあるかもしれません。
そんなとき、心の土台になってくれるのが「自己肯定感」です。
ここでは、自己肯定感とはそもそも何なのか、どんなふうに育てていけるのかを、やさしく紐解いていきますね。
ありのままの自分を大切にできる感覚
自己肯定感とは、「どんな自分でも大切な存在だ」と思える感覚のこと。
「完璧じゃなくてもいい、失敗しても大丈夫。ありのままの自分で価値がある。」
そんなふうに思えるとき、自己肯定感は健やかな状態にあるといえます。
反対に、「自分なんてまだまだ」「もっと頑張らないと価値がない」と感じるときは、自己肯定感が少し弱っているサインかもしれません。
自己肯定感がある人は、失敗しても自分を過剰に責めることなく、前を向いてチャレンジを続けやすい傾向があります。
一方で低くなっていると、「自分なんかがやってもダメだ」「誰かに評価されないと意味がない」と感じてしまい、行動することすら難しくなることもあります。
自己肯定感は自動的には上がらない
「自己肯定感を高めよう!」という言葉、よく目にしますよね。
でも、自己肯定感って、時間が経てば自然と高まるようなものではないんです。
私たちは日々の経験や人との関わりの中で、無意識のうちに「自分ってどういう存在だろう?」と判断し続けています。
たとえば…
- うまくいったときだけ「自分には価値がある」と思える
- 失敗すると「やっぱり自分はダメだ」と感じてしまう
- 誰かに認められないと、自信が持てない
こんなふうに、外側の出来事に気持ちを揺さぶられ続けていると、自己肯定感はなかなか安定しません。
だからこそ大切なのは、「どんな自分も受け入れる」ことを、少しずつでも意識的にやっていくこと。
小さな成功をちゃんと認めたり、自分にやさしく声をかける時間を持ったり…
そんな小さな積み重ねが、「私は私のままでいい」と感じられる感覚を育ててくれます。
ちなみに、自己肯定感は後天的に身につけられるといわれています。
たとえ今はあまり自信がなくても、大丈夫。正しい考え方を知り、日常に取り入れていけば、少しずつ心の軸が整っていきますよ
自己肯定感と自尊心の違いは?
「自己肯定感」とよく似た言葉に、「自尊心」というものがあります。
どちらも「自分を大切に思う気持ち」ですが、実は少しニュアンスが異なります。
簡単にまとめると…
- 自己肯定感 … (良い・悪いは関係なしに)ありのままの自分を受け入れられる感覚
- 自尊心 … 自分の能力や価値を誇りに思う気持ち
自尊心は、成果や実績、スキルなどを通して育まれることが多いのが特徴です。
たとえば、フリーランスという立場で考えてみると、こんな違いがあります。
自尊心は、自分の「できること」や「実績」など、「ポジティブな面」を根拠に価値を感じる傾向があります。
一方で、自己肯定感は、たとえうまくいかない時や、ネガティブな感情を抱えているときでも、「それも自分だよね」と受け入れてあげられる、そんな深さのある感覚です。
どちらか一方だけが大事というわけではありません。
自己肯定感と自尊心、両方をバランスよく育てていくことで、フリーランスとしてもより安定した心持ちで働きやすくなります。
フリーランスは自己肯定感が低いとどうなる?
フリーランスは自分の力で仕事を獲得し、成果を出し、評価される働き方。
そのため、「自分には価値がある」と思えることが、安定して仕事を続ける上でとても大切です。
もし自己肯定感が低いと、仕事の成果や他人の評価を必要以上に気にしてしまい、メンタルのバランスを崩しやすくなります。
実際に、自己肯定感が低い状態で起こりやすい問題を見ていきましょう。
クライアントの評価に過敏になり、落ち込みやすい
自己肯定感が低いと、「自分の価値=仕事の評価」と思いやすくなります。
「この仕事、本当に大丈夫だったかな…?」
「フィードバックがないのは、ダメだったから?」
こうした考えが頭をよぎり、不安になりすぎてしまうことも。
もちろん、仕事のクオリティを高めることは大事ですが、「高く評価されないと自分に価値がない」と思い込むと、精神的に消耗しやすくなります。
自己肯定感が高い状態なら、たとえクライアントの反応がいまいちでも、「今回の仕事には満足している」と、自分の軸を持って前向きに進めるようになります。
価格交渉が怖くて、仕事を安く受けてしまう
自己肯定感が低いと、「自分のスキルにはそれほど価値がないのでは?」と感じてしまいがち。
「この金額を提示したら、仕事がなくなるかも…」
「自分なんかに、この報酬をもらう資格があるのかな?」
そんなふうに不安になり、適正な価格を提示するのが怖くなってしまいます。
結果として、「この価格ならトラブルにもならないだろう」と、必要以上に安い金額で仕事を引き受けてしまうことも。
でも、これが続くと疲弊し、仕事そのもののモチベーションが下がってしまう可能性もあります。
他のフリーランスと比べて、自信をなくす
SNSや交流会で、バリバリ活躍している人を見て、こんなふうに感じたことはありませんか?
「自分はまだまだダメだな…」
「あの人はすごいのに、私は全然成果を出せていない…」
自己肯定感が低いと、「自分は自分」と思えず、他人と比較して落ち込んでしまうことが増えます。
その結果、人と比べて自分はまだ全然足りていないのではないかと焦りすぎてしまい、自分のペースを崩してしまうことも。
本来は、自分の成長に目を向けることが大切なのに、外側ばかり気にしてしまうと苦しくなってしまいます。
「もっと頑張らなきゃ」と無理をしてしまう
フリーランスは、働いた分だけ収入につながる仕事。
そのため、自己肯定感が低いと「もっとやらなきゃ自分には価値がない」と追い込んでしまうことがあります。
でも、無理をしすぎると心も体も疲れてしまい、結果的にパフォーマンスが大きく低下することに…。
また、自己肯定感が低いと「休むこと=サボること」と感じてしまう傾向もあるため、実はとても疲れている状態なのに、つい無理をし続けて、体調不良やメンタルダウンしてしまうことも。
フリーランスが自己肯定感を大事にするためにできること
自己肯定感は、一気に高めることはできなくても、日々の積み重ねで少しずつ育て、大事にすることができます。
特にフリーランスは、自分で自分を認めてあげることがポイント。意識して「自分を大切にする選択」を増やしていきましょう。
ポイント1.自分の「できたこと」に目を向ける
フリーランスは「もっと成果を出さなきゃ」と先ばかり見てしまいがち。
でも、今まで積み重ねてきたものに目を向けることで、「自分はここまでやってきた」という自信につながります。
- 今日やったことを振り返る
- 小さな成功体験を記録する(納品できた、新しい仕事が決まった など)
- クライアントからの感謝の言葉をメモしておく
こんなふうに、自分の頑張りを「見える化」すると、自然と自己肯定感が育ちやすくなります。
ポイント2.他人の評価に振り回されすぎない
フリーランスは、クライアントのフィードバックをダイレクトに受ける仕事。
良い評価はモチベーションになるけれど、悪い評価があると必要以上に落ち込んでしまうことも…。
でも、すべての評価を「自分の価値」とイコールにしないことが大切。
- クライアントの声はひとつの「参考意見」として受け取る
- 100%の人に好かれることは不可能だと知る
- 自分が納得できる仕事をしていればOKと考える
「評価はあくまで一つの意見」と考えるだけで、気持ちがぐっと楽になります。
ポイント3.価格設定や条件交渉で「自分を大切にする」選択をする
「この価格で依頼を受けてもいいのかな?」
「条件をのまないと、次の仕事がなくなるかも…」
そんなふうに悩むこと、ありませんか?
でも、自己肯定感が低いと「安くしないと選ばれない」「無理しないとダメ」と思い込んでしまいがち。
自分を大切にするためにも、納得できる価格や条件で働くことが大切です。
- 自分の時間やスキルに見合った価格を設定する
- 「無理な案件」は断る勇気を持つ
- 交渉することは、フリーランスにとって当たり前だと考える
価格や条件を適切に設定することで、仕事への満足度も上がり、自己肯定感も安定します。
ポイント4.「本当にやりたい仕事」を選ぶことで、自分の価値を実感する
フリーランスの魅力は、仕事を選べること。
でも、自己肯定感が低いと「とにかく仕事を取らなきゃ」と、やりたくない仕事ばかり受けてしまうことも…。
「自分はこういう仕事がしたい!」と、自分の意志にもとづいて選択することが、自己肯定感を育てる第一歩。
- どんな仕事が「楽しい」「やりがいがある」と感じるか振り返る
- 仕事を受けるときに、「本当にやりたいか?」を考える
- 自分の得意な分野や価値観に合う案件を探してみる
「自分で選ぶ」という感覚を大事にすると、自然と「自分はこれでいいんだ」という自信がついていきます。
フリーランスだからこそ、自分の心と丁寧に向き合う時間を
フリーランスという働き方は、自由である一方、すべてを自分で決めていくという難しさもあります。
仕事のペースも、収入も、人とのつながりも、そのときどきで変化するもの。だからこそ、「自分の心とどう向き合うか」が、とても大切になってきます。
クライアントの評価や案件の増減に、つい気持ちが揺れてしまうこともあるかもしれません。
でも、自己肯定感を少しずつ育てていくことで、「それでも私は大丈夫」と思える安心の土台ができていきます。
大変なときもあるけれど、フリーランスは自分らしさを大切にできる働き方。
その魅力を長く続けていくためにも、日々の中で、自分の気持ちにそっと耳を澄ませる時間を持ってみてほしいなと思います。
もし、
「最近ちょっと、自分に自信が持てないな…」
「誰かと一緒に、自分の心を見つめ直したいな…」
そんなふうに感じたときは、どうかひとりで抱え込まずに声をかけてくださいね。
私は、あなたが安心して自分らしく働けるように、そっと寄り添いながらサポートします。
心のメンテナンスも、大切なお仕事のひとつ。
一緒に、自分を信じる力を育てていきましょう。
\ フリーランスだからこそ、心のメンテナンスを。 /