生きづらさを感じるHSPの人ほど、感覚を大切にしてほしい

「HSPが生きづらさを感じる理由と、感覚を大切にする方法」アイキャッチ画像

こんにちは。ライフデザインカウンセラーの山﨑です。

ここ何年かで「HSP」という言葉をよく耳にするようになりましたね。

実は私自身、子どもの頃から繊細で敏感な気質を持つHSPとして生きてきました。ちょっとしたことで心が揺れたり、人一倍疲れやすかったり…。そんな自分が嫌になってしまうことは、何度も何度もありました。

でも、ある時ふと気づいたんです。この敏感さが、自分ならではの「特別なセンサー」でもあるということに。

いま、この記事を読んでくださっているあなたも、日々の生活で疲れやすかったり、周りの言動が気になってしまったりして、深く悩んでいるかもしれません。

そんなHSPのあなたに、今日は「自分の感覚をもっと大切にすること」が、日々を軽やかに生きるヒントになるというお話をお届けしたいと思います。

目次

「普通」や「当たり前」がHSPを苦しめる

HSPの人がしばしば生きづらさを感じる瞬間は、社会の「普通」や「当たり前」が自分に合わないときです。

たとえば、こんな経験はありませんか?

  • 「もっと社交的にならないと」と言われて、人付き合いで無理をしてしまう。
  • 「仕事なんだから我慢しろ」と言われて、小さな違和感を我慢し続ける。
  • 「そんなことで疲れるの?」と驚かれて、自分が変なのではないかと感じてしまう。

HSPの人は、他の人が気にしないことに気づき、深く考え込んでしまいます。だからこそ、何気ない日常でも、心が揺れたり疲れたりすることが多いのです。

では、なぜそう感じるのでしょうか?

人の「感覚」ってどんなもの?

「感覚」は、身体や心が自動的に感じ取る反応

HSPの人が生きづらさを感じる大きな理由は、「感覚」がとても敏感だからです。

ここでいう感覚とは、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)を通じて、体や心が自動的にキャッチする反応のこと。

たとえば…

  • 誰かの言葉に隠れたトーンやニュアンスを敏感に感じ取って、すぐに悲しくなったり不安になったりする
  • 周囲の空気感や場の雰囲気のちょっとした変化を察知して、心がざわざわしてしまう

こうしたことが、HSPの人には日常的に起こりがちです。

HSPの人は、感覚が人一倍敏感。だからこそ、他の人が見過ごしてしまうようなことにも気づき、心身に負担がかかりやすくなります。

「気持ち」の前に「感覚」がある

人の内面を表す言葉として「気持ち」がありますが、気持ちは「感覚」の後に出てくるものです。

たとえば…

  • 人ごみの中で息苦しさを感じたとき(→感覚)、不安な気持ちになる
  • 相手の声が冷たく聞こえたとき(→感覚)、悲しい気持ちになる
  • 場の空気に違和感を覚えたとき(→感覚)、落ち着かない気持ちになる

上記のように、人は、外部からの情報を自動的に受け取ったとき、まず感覚が出てきます。
気持ちは、その感覚を受け取ったあと、心の中で自然に生まれる反応です。

不安や悲しい気持ちになったりすることは、HSPの人に限らず誰もが経験するもの。
ただ、HSPの人は「感覚」が特に鋭いので、他の人なら見過ごしてしまうような小さな変化にも気づきやすいです。

感覚でキャッチする情報が多ければ多いほど、そこから生まれる気持ちも自然と膨らみます。
だから、HSPの人は周りの人が気づかないことに反応し、いつの間にか気持ちが溢れかえってしまうこともあるでしょう。
それは、繊細さがあるからこその「心の豊かさ」なのですが、あまりに気持ちが膨らむと、胸が苦しくなってしまうこともありますよね。

それに、快適な気持ちならまだしも、嫌な気持ちに支配されてしまうと、どうしてもつらくなってしまいます。

HSPにとって大事なのは「感覚を信じる」こと

なるべく嫌な気持ちに支配されないためには、「いま自分はどんな感覚をキャッチしているんだろう?」と、心の中に耳を傾けてみてください。

というのも、気持ちはコントロールできても、感覚はごまかせないからです。

HSPの人は「みんなと違う」と感じる瞬間が多いからこそ、つい自分の感覚に蓋をしてしまいがち。
でも、まずは感覚を信じることが、HSPの人にとっては大切です。

「なんでこんなに疲れるんだろう…私がおかしいのかな?」「こんな些細なことに違和感を覚えるなんて、私が気にしすぎ?」などと思うこともあるかもしれません。
でも、HSPの感覚は「敏感すぎる」のではなく、「正確すぎる」のです。

「危険」「疲れすぎる」「合わない」と感じる感覚は、あなたの身体や心が正しいサインを出している証拠です。

たとえば、こんな経験はありませんか?

  • 飲み会で、なんとなく気が重いのに無理して参加して、あとでぐったり疲れてしまった
  • この人はちょっと苦手だな…と思ったのに、我慢して付き合ったらやっぱり傷ついてしまった
  • 嫌な仕事で「もっと頑張らなきゃ」と無理をしたら、体調を崩してしまった

そんなとき、あなたの心は「それ、合わないよ」と教えてくれていたんです。
それを無視してしまうと、心も体もどんどん疲れてしまいます。

「なんとなく嫌だな」
「ちょっと気が重いな」
「ここ、落ち着かないな」

そんな小さなサインを感じたら、それが自分の本音なんだと思ってください。

自分の感覚を信じると、心に余裕が生まれやすくなる

「自分の感覚を信じる」とは、心の中の「ざわざわ」に耳を傾けることです。

社会の普通や当たり前に無理に合わせるのではなく、自分はどう感じるのか?」を一番に考える。
これが、HSPの人が自分を大切にする第一歩です。

もちろん、私たちは社会の中で生きている以上、いつも自分の感覚を優先できるわけではありません。
でも、まずは小さな違和感に気づき、少しずつ自分の感覚を尊重する選択をしていくことが大切です。

「いま、なんとなくざわざわしている」

そう気づけるようになるだけで、心がに余裕が生まれやすくなります。

もし、自分の感覚がわからなくなったら…

時には、自分の感覚がぼんやりとして、何がつらいのか、何にモヤモヤしているのかがわからなくなることもありますよね。
日々の疲れが積み重なったり、無理して周りに合わせているうちに、自分の声がだんだんと遠くなってしまうこともあります。

「こんなことで悩むなんておかしいのかな」と思うこともあるかもしれませんが、それは決してあなたが弱いからではありません。

そんなときは、自分を無理に励まそうとしたり、「これが正解」と答えを急ぐ必要はありません。
まずは、いま感じていることをそのまま受け入れて、間違っていないと思うだけで、心は少し軽くなっていきます。

もし、それでも「一人では抱えきれない」と感じたときは、どうかご相談ください。
あなたが感じていることを言葉にしていくうちに、少しずつ心がほぐれて、自分の感覚は戻ってきます。

HSPの悩みは、HSPのことをよく理解しているカウンセラーへ。
一緒に、そのモヤモヤの正体を見つけて、心を少しずつ軽くしていきましょう。

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