こんにちは。「こころの言語化」で自分軸を見つけるお手伝いをするカウンセラー、山﨑ももこです。
「こんなこと言ったら嫌われるかも…」
「どうせわかってもらえない…」
そんなふうに感じて、つい周りに合わせたり、自分の気持ちを後回しにしてしまうことはありませんか?
人との関係で相手に配慮することは大切ですが、気持ちを押し込め続けると、心に少しずつ負担が積もっていきます。
やがて「本当はどう思っていたんだっけ?」と、自分の気持ちさえわからなくなってしまうことも。
でも大丈夫。心に向き合って自分の本当の気持ちに気づき、言葉にしていくことができれば心は軽くなります。また、本音を大事にすることは、よりよい人間関係を築くことにもつながります。
今日は、本音を大切にするとどんなことが変わるのか、一緒に見ていきましょう。
- 自分の気持ちを抑え込みがちで、モヤモヤすることが多い
- 周りの意見に流されやすく、自分の本音がわからなくなっている
- もっと自分らしく生きたいと思っている
ぜひ、ゆっくりと読んでみてくださいね。
本音ってどんなもの?
本音とは「心から感じている、本当の気持ち」のこと。
「楽しい!」「うれしい!」といった前向きな感情だけでなく、「なんだか気が進まない…」「少し嫌だな…」といった後ろ向きな感情も、すべて本音です。
私たちは本音を言える場面があると、ホッとしたり安心したりしますよね。
それは、本音に「ありのままの自分」が詰まっているから。
でも、気づかないうちに本音を押し込めることが習慣になると、「自分は本当はどう思っているんだろう?」と、自分の気持ちがわからなくなってしまいます。
なんとなくモヤモヤしたり、息苦しさを感じるのは、そんな心のサインかもしれません。
なぜ本音が言えなくなるの?
「本音と建前」という言葉があるように、大人になると本当の気持ちをそのまま出す機会は減っていきます。
背景にあるのは「周りに合わせなければ」という思い。
子どもの頃から「みんなと同じがいい」「空気を読むのが大事」と教えられてきたり、学校で少し違う意見を言っただけで「変わってる」と見られた経験があったり。
日本社会では「協調性」が重んじられるため、「本音を言ったら浮くかも…」「否定されたらどうしよう…」という不安を持つのは自然なことです。
過去に本音を伝えて傷ついた経験があれば、なおさら慎重になるでしょう。
こうして少しずつ、「本音を口にするハードル」が高くなっていくのです。
本当の気持ちを我慢し続けると、どうなる?
本音をあえて隠すことは、場の空気を守るための知恵でもあります。
しかし、それが長く続くと、心にじわじわ負担がかかります。
- 自分の本当の気持ちがわからなくなる
- 人間関係が表面的になる(本当の自分を出せず、深いつながりが築けない)
- ストレスがたまり、心が疲れる
こうした負担が積み重なると、日常が息苦しく感じられてしまいます。
だからこそ、自分の気持ちを大切にすることが、心地よく生きる第一歩なのです。
「本音を言う」=誰かを傷つけることじゃない
「正直に言ったら、相手を傷つけるかも…」と不安になる方は少なくありません。
でも、自分の思いを適切に伝えることは、むしろ信頼関係を深める行為です。その際に大切なのは「自分も相手も大切にする」伝え方をすること。
心理学では、これを「アサーション」と呼びます。
【アサーションの基本フレーズ例】
- 「私は〇〇と感じています」(自分の気持ちを伝える)
- 「〇〇してもらえると助かります」(具体的な要望)
- 「あなたはどう思いますか?」(相手の気持ちを聞く)
【実践例】
夫婦関係で:
「最近、家事が私に偏っていてちょっと疲れちゃうんだ。週末の掃除、一緒にやってもらえるとすごく助かるんだけど、どうかな?」
職場で:
「今、複数の案件が重なっていて少し不安なんです。今週の優先順位を一緒に整理していただけると助かるのですが、お願いできますか?」
こうしたお互いを尊重するやりとりは、建設的で温かい関係をつくります。
本音を伝えることと人間関係を大切にすることは、両立できるのです。

本音と本音が出会ったとき、心はもっと深くつながる
本音には、人の心を動かす力があります。
表面的なやりとりだけでは届かない心の奥に、あなたの「本当の気持ち」は届き、そこで初めて深いつながりが生まれることがあるからです。
たとえば、あなたが勇気を出して「実はこう思ってるんだけど…」と話したとき、相手が「私も同じだった!」と共感してくれた経験はありませんか?
あるいは、一時的に意見がぶつかってしまっても、じっくり話していくうちにお互いを理解し、「前よりも信頼関係が深まったな」と感じることもあるでしょう。
時には気持ちが相手と食い違うこともあるし、意見が合わないこともあるかもしれません。
でも、それは「わかり合えない」ということではなく、「お互いを深くわかり合うための第一歩」。
価値観の違いを知り、理解を深めることで、ただ上っ面で仲良くするだけではない、本当の意味での「心のつながり」が育っていくのではないでしょうか。
まずは今日一日、「自分の気持ちを無視しない」ことを意識してみませんか。
その小さな気づきの積み重ねが、あなたらしい人生への確かな一歩になるはずです。