こんにちは。ライフデザインカウンセラーの山﨑です。
「いろんなことを、つい深く考え過ぎてしまう…」
そうやって心が気分が晴れないとき、皆さんはどう対処しているでしょうか?
趣味や好きなことに打ち込んで上手にストレス解消できる人もいますが、実際には誰にも言えず、自分の中でずっと抱え込んでしまう人も多いはず。
でも、一人で考え続けていると変な方向に思考が進み、自分を追い込んで苦しくなってしまうことも…。
そもそも私自身、深く思考をするタイプで、いろんなことを考え過ぎることは昔からしょっちゅうでした。
いまもよく考えるところは変わっていませんが、ネガティブな方向に引っ張られたときの対処法として、最も効果的だと感じてきたのが「心のどうにもならない気持ち・感覚を言葉にすること」です。
そこで今回は、私と同じように「つい一人で考え過ぎてしまう人」に向けて、「心のモヤモヤを言葉にして心を緩めること」の効果についてお話します。
なぜ、考え過ぎてしまうの?
「どうしてこんなに考えてしまうんだろう?」と感じても、なかなか考えることをやめられない…。
そういう人がどんな特徴を持っていることが多いのかを挙げてみます。
考え過ぎてしまう人の10つの特徴
「考え過ぎてしまう」人の多くが、以下のような特徴を持っています。
なお、これらは複数が合わさっていることもよくあります。
1. 不安や心配性
未来に対する不確実性や、失敗を恐れる気持ちが強い。
2. 完璧主義
すべてを完璧にこなしたいと考え、選択や行動に慎重になりすぎる。
3. 自己批判が強い
自分に厳しく、「これでいいのか?」と常に自問してしまう。
4. 情報過多
たくさんの情報を得ようとしすぎて、何を信じれば良いか迷う。
5. 決断力の弱さ
「どちらが正しいか」「どれがベストか」を深く考えすぎて動けなくなる。
6. 他者の目を気にする
「どう思われるか」を気にして、慎重に行動しようとする。
7. 過去の失敗のトラウマ
以前の失敗や嫌な経験が頭をよぎり、慎重になりすぎる。
8. 責任感が強い
自分の行動が周囲に与える影響を過剰に意識してしまう。
9. 想像力が豊かすぎる
あらゆるシナリオを考えすぎて、かえって動けなくなる。
10. 選択肢が多すぎる
選べる道が多いほど、「どれが最善か」と悩む時間が増える。
敏感で繊細な気質(HSP)を持っている人も多い
敏感で繊細な気質を持つ、いわゆる「HSP」の人は、考え過ぎの状態になりやすいです。
これは、私自身がそうなので、とてもよくわかります。
ちょっとした相手の表情や声のトーン、場の雰囲気などをすぐに察知してしまう。共感力が高く、相手の気持ちを感じとりやすい。
先々のことをあれこれと先回りして考えて、心配や不安感が増してしまうところもある。
さらに、人と一緒に過ごした後には、「言い過ぎて傷つけちゃったかな」「変に思われなかったかな」などと「ひとり反省会」をして眠れなくなってしまうこともしょっちゅう…。
このように、HSPの人は、もはや考え過ぎることがデフォルトになっていることも多いですね。
「考えること」は悪くない。でも、自分を追い込まないように注意して
ただ、「考えること」自体は決して悪いことではありません。
その昔、フランスの哲学者・パスカルはこう言いました。
「人間は、考える葦(あし)である」
このフレーズには、人間は植物の葦のようにか弱い存在だけれど、思考できることこそが人間の価値・偉大さであるといった意味合いが込められています。
ちなみに、ビジネスの場ではよく「考えるより、まず行動せよ!」という言葉が使われます。
ただ、私個人としては、考えることも、行動することも、どちらも大事だと考えます。
(「行動しないと何も変わらない」という主張は確かだと思うけれども、やみくもに行動するばかりでなく、行動の結果をじっくり振り返る、考えることも大切)
むしろ、人は悩んだり、考えたりする中で、自分とは何かを知り、人間的に成長できるもの。だから、考えることは決して悪いものではありません。
ただ、考え過ぎてしまうことのリスクを挙げるとしたら、それによって自分を追い詰めてしまうこと。
一人の世界に入って深く考えていると、どうしても視野が狭くなり、ものの見方・考え方がいつの間にか歪んでしまうことがあります。
そうなったときに自覚して「いけない!このまま考えるのはもうやめよう」と自分でうまくバランスをとれればいいのですが、なかなか難しい場合も多いでしょう。
視野が狭まったまま考え過ぎると、「どうすればいいのかわからない」「自分はもうどこにも逃げ場がない…」といったネガティブな気持ちにも陥りやすくなります。
もともと人生には、自分でコントロールできることと、できないことがあります。
コントロールできないことで悩み過ぎても仕方がありません。
そして、どれだけ考えて、どんな選択をしようとも、少なからずリスクや失敗の可能性は潜んでいるもの。
常に100%納得・安心できる答えを見つけなきゃと思うと、なかなか結論を出すことができません。
考える時間が長引けば長引くほど、ますます動けなくなったり、不安が増幅してしまったりもします。
だからこそ、なるべく平穏な心の状態でいるためには、ときに「考え過ぎな状態」を断ち切ることも大事です。
考え過ぎてつらいときの対処法|気持ちを外に出す
つい考え過ぎてしまっていると感じたとき「どこかで考えるのをやめて行動しよう!もっとポジティブに考えよう!」と、頭では理解している人も多いはずです。
でも、人間はそこまで単純ではありません。「考えるのをやめよう!」と思っても、すぐにスイッチを切り替えることはなかなか難しい場合があります。
ずっと考え続けてしまうときの対処法として、一般的に以下のようなことが挙げられています。
- 瞑想する(マインドフルネス)
- 考える時間を決めて、その時間だけ考える
- 気になっていることを紙に書き出す
これらは、たしかに一定の効果があるでしょう。
でも、正直にいうと、私は、いきなり瞑想やマインドフルネスは、なかなかハードルが高いと思います。
また、「考える時間を決めてその時間以外は悩まない」と決めても、ふと気を許せば、すぐにまた考えてしまう状態になるのが考え過ぎてしまう人間です。
その点、紙に書き出す方法は、この中ではわりと取り組みやすいかもしれません。
感情を殴り書きすることで思考が整理され、ごちゃごちゃとしたよくわからない気持ちが可視化されます。それだけでも、気持ちが少しクリアになることもあるでしょう。
心のモヤモヤ・複雑な気持ちを言葉にすることの効果
ここまでお伝えした方法は、多少の効果があってもあまりすっきりしないこともある。それが私の実感です。
それ以上に、スイッチの切り替えや思考の転換に役立つのが「気持ちを言葉にして、人に話すこと」。
「話してどうなるの?」と思う方もいるかもしれませんが、実は話すことで心の状態が変わることが、科学的にも証明されています。
話すことで得られる大きな効果は2つあります。
モヤモヤ・気持ちを口にする効果①考えや感情の整理ができる
「誰かに話す」という行為は、単に言葉にするだけではなく、自分の考えや感情を整理するプロセスでもあります。
頭の中に溜まっていたモヤモヤした気持ちが言葉になることで、「あ、自分は本当はこんなふうに感じていたんだ」と気づけることがあります。
なんとなくふわっとしていた気持ちのモヤモヤ・問題が具体化されると、勝手に解決策のようなものが見えてくることも。
そこまでいかなくても、「すごく考え過ぎたけれど、実はそこまで複雑な問題じゃなかったかも…」など、少し冷静な気持ちになれることもあります。
つまり、話すことで自分の内面がクリアになり、本当に感じていること、次にどんな行動をとればいいかなどが見えやすくなってきます。
考え過ぎて頭がグチャグチャになってしまっているときほど、気持ちと思考の整理は効果的です。
モヤモヤ・気持ちを口にする効果②感情の解放と癒しにつながる
人に話すことで、溜まっていた感情が解放され、ストレスが軽減されるという効果もあります。
特に、涙を流すことには「カタルシス効果」と呼ばれる、心の浄化作用があります。
(皆さんも「泣いたら少しスッキリした」という経験、ありませんか?)
ただし、必ずしも泣く必要はありません。
自分の本当の感情(つらい、寂しい、悲しい)などにやさしく触れて、気持ちを外に出すだけでも、だいぶすっきりすることがあります。
本音を話すことで自分を表現し、感情を解放すること。
これが、心の負担を減らすために、とても大事です。
話す相手選びは慎重に
ここまで見てきたように、悩んでいるとき、誰かに話して気持ちを整理することは、非常に大きな意味があります。
でも、ちょっと注意も必要です。
それは、心が苦しいときに、むやみに他者のアドバイスや励ましを受けると、かえって気持ちが落ち込んでしまうことがあるということです。
だからこそ「話す相手」は慎重に選んでください。
以下では、話す相手の選び方について、気をつけたいポイントを紹介します。
身近な人が「きちんと聴く」のはとても難しい
誰かに相談しようと思ったとき、多くの人が真っ先に思いつくのは家族や友人、恋人など、親しい人ではないでしょうか。
でも、そういった近しい関係性であればあるほど、相談された側は、「解決してあげたい」「助けになりたい」と思うもの。
だからこそ、いろんなアドバイスや激励の言葉を投げかけます。
これが、悩んでいる人にとっては時に逆効果になることがあります。
というのも、あれこれ悩んでいるときは、すでに「どうすればいいのか?」と自分の中で考えすぎていて、思考が混乱していることが多いです。
そのようなときに、「もっと頑張って!」や「こうしたほうがいい!」などあれこれ言われると、プレッシャーに感じて「自分がもっとできていないからダメなんだ」と、自信を失いやすくなります。
あるいは、相手は良かれと思って情報提供をしたつもりでも、それが自分にとって本当に必要な情報とは限りません。いろいろなことを言われ、ますます混乱してしまう要因になることがあります。
また、悩んでいる本人も、話す相手が親しければ親しいほど相手の気持ちに配慮してしまい、「こんなことを言って傷つけたくない」「嫌な思いをさせたくない」といった遠慮が出てしまいがちです。
そのため、つい本音を隠してしまったり、言いたいことが言えなくなってしまうことがあります。
そういうやりとりでは、気持ちが軽くなるどころか、さらに負担が増してしまうことにもつながりかねません。
「聴く専門家」だからこそできること
このような状況で役立つのが、カウンセラーという第三者の存在です。
カウンセラーは、相談者さんと直接の利害関係がないため、純粋な気持ちで話を聴くことができます。
また、きちんと相手を受け止めて、自分の価値観による評価・判断を加えることなく、深く、丁寧に話を聴くトレーニングも積んでいます。
「ただただ、良い悪いの評価をせず、しっかりと話を聴いて寄り添ってくれる」存在を目の前にすることで、相談者さんは相手に気を遣うことなく、本当に思っていることを口にできるようになります。
これが、カウンセリングの大きな利点です。
なお、カウンセラーの役割はアドバイスをすることではなく、相談者さんが自分自身の気持ちに気づき、本当に必要な答えを自分で見つけられるようサポートすること。
カウンセリングでは表面的な問題だけでなく、相談者さんの心の奥に隠れている感情や本当の想いを大切にします
また、よく誤解されますが、カウンセリングは「ただ話を聴いて終わり」なわけでもありません。
相談者さんが抱える本質的で大事な問題にちゃんと気づいて、必要に応じて必要なアプローチができるのも、カウンセラーならではです。
相談者さんは、安心できる空間で心の中にあるモヤモヤした気持ちを言葉にすることで、自分でも気づいていなかった本当の感情が整理され、解放できる。
そのような経験を通じて、「考え過ぎてつらい状態」をちょっとずつ抜け出して前に進むためのエネルギーが湧き、本当の自分らしさを取り戻せるようになります。
まとめ|思考が止まらないときは気持ちを外に出してみよう
一人で考え込み、悩むことは誰にでもあるもの。でも、ずっとその状態でいると心が疲弊してしまいます。
「話すこと」は、一見とても単純で、あまりたいしたことない行為のように思うかもしれませんが、実は自分の心を軽くするための効果的な方法です。
簡単な話なら、友人や家族に話すのも、もちろんOK。
でも、心の中の深い悩みや葛藤、自分でもよくわからない気持ちは、心のモヤモヤをきちんと受け止めることができるカウンセラーに頼って出していくのも、とてもよい方法です。
カウンセラーにもいろいろなタイプの人がいますが、私のカウンセリングでは、相談者さんとの「あたたかな対話」をとても大事にしており、その対話によって心を緩めていきます。
相談者さんの本当の気持ちにしっかり向き合うことで、こんがらがっているものを、ちょっとずつほぐすためのお手伝いをします。
誰でも動き過ぎたら体が疲れるように、心だって疲れます。どうか一人で抱え込まず、心を解放してくださいね。
心の中を言葉にしてみるだけで、少し楽になれるかもしれません。
まずは気軽な体験カウンセリングで、ちょっと心を軽くしてみませんか?