コラム

「自分軸」って何だろう?自分らしく生きるための判断基準を、少しずつ育てていく

「自分らしく生きるための「自分軸」とは?価値観を言葉にして他人軸を手放す方法」記事のアイキャッチ画像

こんにちは。
心と働き方のカウンセラー、山﨑ももこです。

「自分軸を持とう」「自分軸で生きよう」

そんな言葉をよく見たり聞いたりするようになりましたよね。

私自身も、実際に使うことがある言葉ですし、自分の軸を持つことは、迷いの多い時代を生きるうえでのひとつの土台になると感じています。

でも、カウンセラーとして多くの方とお話しする中で、

「自分軸って具体的にどういうことなのか、よくわからなくて…」
「自分軸を持ちたいとは思うんですが、どうすればいいのか…」

そんな声をよく聞きます。

選択肢があるのに不安から望まないほうを選んでしまったり、SNSで他人の活躍を見るたびに焦りを感じたり。

周りの意見に流されて「本当はどうしたかったんだっけ?」と迷子になる感覚、ありませんか?

こういうとき、私たちはよく「自分軸がないのかも…」と心配になったりします。

この記事では、自分軸が何なのか、どうやったら育っていくのかを、私自身の経験も交えながら一緒に考えてみたいと思います。

ただ、正直にお話すると、自分軸の定義・考え方は人によってもちょっとずつ違うと思います。

あくまでも私の経験や、いろいろな方の生き方に触れる中で「こういうもの」と考えている話になりますが、ひとつの参考になれば幸いです。

目次

「自分軸」とは?「私はどうしたいか」で選べるようになるための土台

「自分軸」という言葉、よく耳にしますが、少し抽象的でわかりにくいかもしれません。

ひとことで言うと、自分軸とは、自分にとって大切な価値観や信念に基づいた判断の基準のこと。

でも、定義よりも具体的な場面で考えた方がわかりやすいと思うので、例を挙げてみますね。

たとえば、こんな場面はありませんか?

「朝活で人生が変わった!」というSNS投稿を見て、友人からも「絶対やったほうがいいよ」と勧められる。
たしかに良さそうだけど、正直、朝はゆっくり過ごしたい自分がいる…。

転職のオファーをもらった。条件も良いし、周りからは「いい話じゃん!」と言われる。
でも、なぜかワクワクしない。むしろ、なんとなく重たい気持ちになってしまう。

こういうとき、「みんなが良いって言うから」という外の声と、「でも私はなんかモヤモヤする」という自分の気持ちの間で揺れ動きますよね。

そんなときに「じゃあ、本当はどうしたいんだろう?」と立ち止まって考える。
他人の価値観や基準ではなく、自分自身で判断する。

そのときに使うモノサシのようなものが自分軸だと、私は考えています。

もっとシンプルにいうと、日々の小さな選択の中で「自分はこっちのほうがしっくりくる」と感じて、その感覚を大事にして選べるようになること。

自分軸がしっかりしていると、他人の意見や一般論を参考にしつつも、最後には「自分はどうしたいのか?」を基準に判断できます。

一方で、自分軸が曖昧だと、他人の基準や世間の価値観に振り回され、「納得できていない気がする」「本当にこれでいいのかな…」と迷いやすくなってしまいます。

自分軸は、迷ったときに「みんながどう言うか・どうするか」よりも「私はどうしたいかな?」と考えられるようになるためのもの。

それは、迷いの多い日常の中で、自分を見失わないための「小さなよりどころ」だと私は感じています。

なぜ今の時代に、自分軸が必要なのか

正直なところ、「『正解』を探しすぎて、逆にしんどさを感じてしまっている人」が増えていると感じています。

今の時代に自分軸が大事だと思う理由を、私自身の考えも交えながらお話しします。

ノウハウや正解を追いかけるほど、息苦しくもなっていく

現代社会は流れが速く、情報に溢れています。
いかに効率よく生きるか、「コスパ」や「タイパ」といった言葉も、よく耳にします。

そういう環境で暮らしていると、「こうやれば成功する」「この方法なら間違いない」といったノウハウや正解を求めてしまうのも、無理はないかもしれません。

私自身も、つい外側の情報に意識が向いてしまうことがあります。

でも、本当はどうでしょうか?

私たちが大切にしたいもの、価値観や気持ち、そして今の境遇は、誰一人として同じ人はいません。

だから、外の何かに合わせて生きようとすると、最初はうまくいっているように見えても、だんだんと無理がきて心に苦しさが増すことがあります。

そして、どれだけ外側の条件が整っても、「なんだか満たされないな」という感覚が残ってしまう。
仕事も暮らしも大きく問題がないのに、心だけが置いていかれてしまうような感じ…。

人はそんなときに、悩み、迷うのだと思います。

誰かの正解ではなく、自分だけの答えを見つけていく

巷で聞こえてくる「成功の法則」や「幸せになる方法」。
もちろん、それらがヒントになることもあると思います。

でも、それだけが「完璧な人生の答え」ではないはずです。
なぜなら、自分の人生を生きるのは、自分だけだから。

「何が楽しいか」「何を大切にしたいか」「どんな状態が満たされているか」

その答えは、誰かに教えてもらうものではなく、 自分の中にあるものを少しずつ見つけていくものだと思っています。

そして、それをじっくりと、地道に育てていくプロセスこそが「自分軸を育てる」ということ。

流行りのノウハウや「みんながやっている方法」を追いかけるのではなく、自分の確固たる価値観や大事にしたいものを信じていけるようになること。

それこそが、自分らしい生き方、自分だけの幸せな生き方
——つまり「オリジナルハピネス」につながっていると、私は思っています。
(このサイト名も、ここからきています)

私が違和感を無視し続けた先に気づいたこと

少し、私自身のお話をさせてください。

フリーランスになったばかりの頃、私はとにかく「声をかけてもらえるだけありがたい」と思い、ほぼすべての依頼をあまり深く考えずにこなしていました。

でも、心の中では「本当にこれでいいのかな…」という小さな違和感も生まれていました。

なんだかしっくりこないお仕事や、自分にとってあまり心地よくないように感じるお仕事もあった中で、「まあなんとかなるか」と、そのままやっていたからです。

結果、最初に少し違和感のあったお仕事は、やっぱり途中で小さなトラブルや、うまくいかなくなることがほとんどでした。

当時は「これも成長のため」と信じて突っ走っていましたが、気づけば義務感や負担感のほうが大きく感じられるように…。

転機になったのは、条件はそこそこいいけれど、あまりにも心がワクワクしないある案件を前にふと立ち止まり、「この仕事、本当にやりたい…?」と、冷静に自分自身に問いかけたとき。

自分の中から「いや、これはどうしてもやれない…」という気持ちが出てきて、「自分は何を大事にしたいのか」を真剣に考えるようになりました。

苦痛を感じるほどの仕事は、別に私がやらなくてもいい。
むしろ私が違和感を抱えながらやるほうがパフォーマンスが上がらず、相手に迷惑をかけるかもしれない。

自分で自分の仕事を選べるフリーランスになっているのだから、「やるのか・やらないのか」を、ちゃんと自分で考えなくてはならない。

そんな気持ちが芽生え、それからはスケジュールや案件の選び方を見直し、「やりたい仕事・やりたくない仕事」の基準も少しずつハッキリさせていきました。

すぐに劇的な変化があったわけではなかったです。
でも、徐々に自分の感覚や気持ちに正直に、自分らしいペースで活動できるようになり、「これでいいかな」と思える時間が少しずつ増えていきました。

この経験から学んだのは、「自分軸は、自分らしく生きるためのエンジンであり、ブレーキでもあるんだな」ということ。

やりたい方向に進むための推進力にもなるし、「これは違う」と感じたときに立ち止まらせてくれるストッパーにもなる。
それが自分軸なのだと思います。

自分軸を少しずつ育てていくための、3つの視点

自分軸が大事とはわかっても、それを見つけてしっかりとした軸へと育てていくのは、なかなか大変です。

ここからは、自分軸を育てるための3つの視点をお伝えします。

視点①自分の価値観を言葉にする

「自分の価値観ってなんだろう?」と考えると、ちょっと難しく感じるかもしれませんよね。

でも、それはあまり特別なことではなく、日々の中で「これが大事だな」「これは嫌だな」など、心が動いた瞬間を振り返ることから始まります。

価値観を見つける2つのアプローチ

1.好きなこと・満たされることから探す

まず、自分が本当に好きなこと・心が満たされると感じることを思い浮かべてみてください。

たとえば私の場合、以下のようなシーンや状態を好みます。

  • 大人数ではなく、一人ひとりとじっくり深く関わりたい
  • 人が自分らしく生きるための力になりたい
  • 心のつながりを大事にする人間関係を築きたい
  • 急かされない環境で、束縛されずマイペースに働きたい
  • 自然が豊かな環境で暮らしたい

こうやって自分が好きなことを挙げていくことで、「心のつながり」「他者貢献」「自由」「自然」といった価値観(キーワード)が見えてきます。

2.嫌なこと・違和感から探す

逆に、つらかったり違和感を覚えたりした場面も、価値観を見つけるヒントになります。

たとえば、以下は私が嫌だな、苦痛だなと感じるものです。

  • 1から10まで細かくルール・やり方が決められている仕事
  • 人や物が溢れている騒がしい空間
  • みんなで同じ行動や考え方を強いられる環境
  • 大人数の集まり

このように、まずネガティブに感じることを挙げてみる。

そこから逆の発想のように視点を変えてみると、「自由で柔軟な働き方」「静かな環境」「個性や多様性」など、自分にとって大事にしたい価値観が見えてきます。

視点②自分の強みを理解して活かす

たとえば私の場合、文章を書くことや、人の話をしっかり聴くことが得意だと気づいたのは、フリーランスになってから数年後のことでした。

昔から自然にやっていたことなので、それが特別だとは思っていなかったんです。
でも、周りの人が苦労していることを私はすんなりできたり、みんなが「大変だ」と言うことを楽しく感じたりする。

そんな小さな違いに気づいたとき、「あ、これが私の強みなのかもしれない」と、徐々に思えるようになりました。

強みは、本人にとってはあまり頑張らなくてもできてしまうことなので、自分では気づきにくいもの。

もし強みがわからないときは、こんなふうに自分に問いかけてみてください。

  • 子どもの頃から、時間を忘れて夢中になれたことは何だろう?
  • 人から「よくそんなことできるね」と驚かれたり、褒められたりしたことは?
  • 誰かからよく相談されるテーマって、どんなことだろう?

すぐには思いつかないこともあるかもしれませんが、私は、強みがひとつもない人はいないと思っています。

ぜひ、じっくりと考えてみてもらえたらと思います。

視点「人と比べてしまう自分」を否定しない

「人と比べないようにしよう」というフレーズはよく聞きますが、正直、それはすごく難しいことだと思います。

私たちは、社会の中で他者を意識しながら生きているのですから。

だから私は、「比べてもいい。でも、そこにはまり込まないようにしよう」と考えています。

たとえば、私は10年以上フリーランスとして個人で仕事をしていますが、「みんなどうやって活動しているんだろう?」と、つい他の人の動きが気になってしまうことはよくありました。

最近はSNSなど、嫌でも他人のキラキラとした姿が目に入りやすくなっているので、なおさらです。

私自身、他の人の成功報告を見ると「すごい…私は大丈夫かな…」と焦るような気持ちや、なんとも言えない居心地の悪さを感じることがあります。

「できるだけ見ないようにする」などの工夫はしますが、情報は勝手に飛び込んできます。
目に入って気になってしまうこと自体は、もう仕方ないと思っています。

でも、ずっと他者にとらわれていると自分のペースを見失い、「本当はどうしたかったんだっけ?」という大事な感覚から遠ざかってしまう。

だから、比べたあとに「でも、私とあの人は違うよね…」と立ち返る。

「私はどうしたいんだろう?」と、自分のほうに意識を戻していく。
自分に矢印を向け直す癖をつけていく。

その繰り返しが、自分軸を育てるうえでとても大切だと思っています。

当たり前だけれど「自分と他人の生き方や、目指すものは違う」のです。

自分軸は競争ではなく、自分のペースで育てるもの

ここまで読んで、「自分軸、まだ全然わからない…」「私にはそんなものないかも…」と感じた方もいるかもしれません。

でも、大丈夫です。
自分軸は、今すぐに完成させなきゃいけないものじゃありません。

むしろ、「わからない」「迷っている」という今の状態を認めて、ちょっとずつでも自分の本心と向き合い続けることが、自分軸を育てる大事な一歩でもあります。

20代、30代…と試行錯誤し、少しずつ軸がはっきりしてきた私も、いまでも「これでいいのかな?」と迷ったり、不安になったりすることはあります。

でもそのたびに、「あ、私は今、他人軸になっているかも」と気づいて、「で、私はどうしたいんだっけ?」と自分に戻ってくる。
その繰り返しです。

自分軸は、持っているか・いないかの二択じゃなくて、ずっと育てていくもの。
誰かと競うものでもありません。

自分軸は、一度見つけたら終わりではなく、生きながら少しずつ形を変えていくものだと思っています。
私自身もそうやって、今もまだ育て続けています。

「自分がどうしたいのか」「どんな働き方・生き方がしっくりくるのか」を、
一緒にゆっくり言葉にしてみたくなったときは、対話の場も使ってみてください。

「自分らしい働き方・生き方をつくる」体験セッションの詳細はこちら

目次