こんにちは。
心と働き方を支援するカウンセラー、山﨑ももこです。
少し前から、ネット上で「フリーランスから会社員に戻る人が増えている」というニュースが話題になっていました。
フリーランス14年目の私としては、少し複雑な気持ちでこの話題を眺めていました。
というのも、
「副業から始めて、ゆくゆくはフリーランスになりたいんです。私でもできますか?」
「会社員は限界かも…一人で働くほうが自分に合うと思っていて…」
そんなご相談は、今でも決して少なくないからです。
一方で、フリーランスの競争が激しくなっていることや、物価高などの影響で「安定」を求める人が増えているのも事実だとは思います。
フリーランスと会社員、どちらがいいのか。
これは単純な二択で片付けられる話ではありません。
このテーマを考える際にまず最も大切なのは、
「そもそも、あなたはどんなふうに働きたいですか?」ということ。
この問いを少し掘り下げていくと、働き方の話は、いつの間にか「どう生きていきたいか」という問いとも重なってきます。
この記事では、働き方に迷ったときに、立ち止まって見つめ直してほしい視点についてお話ししていきます。
- フリーランスか会社員かで迷っていて、どちらを選べばいいのかわからない
- 「フリーランスになりたい」と思いながらも、不安やモヤモヤを抱えている
- 働き方を変えたい気持ちはあるけれど、何から考えればいいかわからない
今、フリーランスと会社員の間で揺れる人が増えている
このコラムを書こうと思ったきっかけは、「フリーランスから会社員に戻る人が増えている」というニュースです。
日経転職版の記事によると、2024年4〜9月にフリーランスから会社員へ転職した人数は、5年前と比べて約3倍。
IT系を中心に、企業へ戻る動きが目立っていると報じられています。
出典:日経転職版「フリーランス→会社員、5年で転職3倍 安定求め回帰」(2025年1月10日)
この見出しを見て、
「やっぱりフリーランスは厳しいんだ…」
「安定を考えたら、会社員のほうがいいのかも」
そう感じた方もいるかもしれません。
記事本文では、会社員への回帰が増えた背景として、フリーランス人口の増加による競争激化や案件数の減少、物価高による収入不安などが挙げられています。
一方で、企業側も人手不足を背景に、ジョブ型雇用やリモートワーク、学習支援制度などを整え、以前より柔軟な働き方を提示するようになってきました。
結果として、「フリーランスならでは」とされてきた働き方が、会社員という形でも実現しやすくなっている。
そういった変化は、長年フリーランスとして過ごしてきた私も実感します。
ただ、ここで一度立ち止まって考えたいのは、先の記事では「フリーランス人口そのものが、この5年でどれほど増えたのか」には触れられていないということ。
もしフリーランスを選ぶ人自体が大きく増えていれば、そこから会社員へ転職する人の数が増えるのは自然な流れともいえます。
このニュースは、ただ「フリーランスは厳しい」という単純な話ではなく、働き方の選択肢が広がり、人が自分のフェーズに合わせて行き来する時代になった、という見方もできるのではないかと思っています。
実際、私が日々の相談現場で感じるのは、「フリーランスになりたい」「会社員とは違う働き方を考えたい」と口にする人は増えているということです。
次の章では、その言葉の裏側にある、一人ひとりの切実な気持ちについて少し掘り下げてみたいと思います。
「フリーランスになりたい」の裏側にある、いろんな気持ち
「フリーランスになりたいんです」
こういったご相談を受けるのは個人的にはとてもうれしく、応援したい気持ちもあります。
でも、一方では慎重に、その方の本当の気持ちや望み、不安や葛藤に寄り添っていくようにしています。
なぜなら、同じ「フリーランスになりたい」でも、その裏側にある想いは本当に人それぞれだから。
ここでは、私がご相談の中でよく出会う3つのパターンをご紹介します。
よくある背景1:時間や場所の自由を求めている
フリーランスになりたい方の多くが持っているのが、「時間や場所に縛られずに働きたい」という思いです。
会社員としての通勤ラッシュのストレス、育児や介護との両立の難しさ、体調や特性に合わない環境での働きづらさ。
「今の働き方の枠組みから解放されたい」という切実な願いから、「フリーランスになりたい」という思いを持つ方も多いのだろうと感じます。
コロナ禍で一度でも在宅勤務・リモートワークを体験した方が、再び出社するようになって「やっぱり出勤はキツい。またあの働き方に戻りたい…」とおっしゃるケースもあります。
よくある背景2:自分のペースで、好きな仕事をしたい
続いては「自分のペースで、スキルを活かしながら好きな仕事をしたい」というものです。
特にライター、デザイナー、エンジニア、動画編集、SNSマーケティング、最近だとAIを活用したクリエイターなど、IT・Web関連の仕事に関心を持つ人が、こういった望みを持つケースが多いです。
逆に、自分のペースで働くために何ができるだろうと考えた結果、フリーランスとして参入しやすい上記のような職種に関心を持つ人もいます。
少し個人的なお話をすると、もともと私自身もライターとしてフリーランスになりましたし、周りにもデザイナーやエンジニアなど、クリエイティブ職のフリーランスは多くいます。
ちなみに、ひと昔前は会社で専門職として経験を積んだ人が、経験・スキルを活かして独立することが一般的でした。
一方、最近ではIT・Webの発展、さらに副業への注目度が高まったことで、未経験からいきなりフリーランスを目指す例も増えています。
よくある背景3:人生の意味を考え直したい、自分の力を試してみたい
「働き方を変える」というと、20代〜30代の若めの人が多いのでは、という印象を持つ方もいるかもしれません。
でも、実は私が支援させていただく方は、30代後半から40代以上の方が多く、50代の方も決して少なくはありません。
「このまま会社員として定年まで働いて、それでいいのだろうか」
「40代になって、自分にどれくらいの力があるのか試してみたい」
「会社の看板を外したとき、自分には何ができるんだろう?」
これらは特に、いわゆるミッドライフ、中年世代の時期によく聞く声です。
会社員として一定の経験を積み、それなりのポジションにも就いた。
でも同時に、「このままでいいのかな」という漠然とした不安や焦りも感じ始める。
一応の安定はあっても、このまま5年後、10年後も続けていけるのか…。
人生の折り返し地点に近づく段階で、あらためて自分の働き方・生き方を見直したい。
そのときに、憧れていた「独立(フリーランス)」にチャレンジしたいと考える方は、実は結構いらっしゃるのです。
私がフリーランスになった理由と、14年やってきて感じること
ここからは少し、私自身の話をさせてください。
「山﨑さんは、どうしてフリーランスになったんですか?」
これも、とてもよくいただくご質問です。
フリーランス歴14年というと「すごいですね」「高い志があったんですね」と言われることもありますが、正直に言うと、そんなにかっこいいスタートでもありませんでした。
会社員からフリーランスへ。「時間・場所・組織」にしばられずに生きるために
私が独立したのは2012年。
きっかけは、会社員時代に心身のバランスを崩したことです。
月間残業時間が80時間を超える激務と、厳しい縦割り組織の中で、「自分のことを自分で決められない」ことへのストレスが限界に達しました。
また、私はもともとHSP気質があり、集団や、人間関係が複雑な場は、ものすごく疲れてしまうんです。
「もう会社は無理」「時間や場所、組織に縛られずに生きていきたい」
そういった思いが重なったことが、私がフリーランスを目指した一番の理由でした。
独立当初の職種はライターでしたが、「この仕事で大成したい」という熱い野望を持っていたというよりも、「自分らしく、無理なく働いて生きるために何ができるか」を探した結果が「書くこと」だった。
それが正直なところです。
ある意味では「逃げ」にも見えるような、でも私にとっては切実な「守り」であり、「創造的」でもある選択。
それが、私のフリーランス人生の始まりでした。
フリーランス14年のリアル:自由さと一緒に抱えてきたもの
そうして始まったフリーランス生活も、2026年で14年目。
私生活では、2020年には東京から長野県へ移住し、今は山に囲まれた自然豊かな環境で仕事をしています。
「理想の暮らしですね」と言っていただくことも増えましたが、特にたいそうなものではなく、かなり地味で静かな毎日です(笑)
ただ、ひとつ言えるのは、今の生き方は誰かに強制されたわけではなく、「自分の意思と行動で選んできた」ということ。
フリーランスの「自由」は、ある意味「責任」と背中合わせです。
いつ仕事がなくなるかわからない収入の波への不安。
すべての決断を一人で下さなければならないプレッシャー。
そして、組織に属していないからこその、ふとした瞬間に訪れる孤独感。
そんな要素も抱えながら続けてこられたのは、「自分で選んでいる」という実感が、私にとっては何よりの支えであり、生きがいだからです。
平日の天気がいい日中にふらっと散歩に出かけたり、取材・インタビューの仕事を通じて、会社員では出会えなかったような魅力的な方々の人生に触れさせていただいたり。
今は、さまざまな相談者さんとの関わりの中で、人の生き方、人の心の複雑さに深く向き合う機会をいただいています。
大変なこともたくさんありますが、この暮らし方と働き方が私は気に入っています。
そして、それは「楽だから」ではなく、「自分に合っているから」だと思っています。
フリーランスか会社員か。その前に考えたい3つのポイント
さて、ここまで私自身の話も含めてお伝えしてきました。
「で、結局のところ、私はどっちを選べばいいの?」 と、迷いが深まってしまった方もいるかもしれません。
ここでは、働き方を考える際のポイントを3つ紹介しようと思います。
ただ、先にお伝えしておきたいのは、いきなり「フリーランスか会社員か」という二択に絞る必要はない、ということです。
最近では、会社員のまま副業を始めたり、業務委託で週3日だけ働いたり、期間限定のプロジェクトに参加したりと、働き方の選択肢はグラデーションのように広がっています。
「いきなり独立!」と気負わず、「まずは半年、副業で試してみる」「フルリモートの勤務先を探す」といった中間の選択肢も視野に入れつつ、ひとつの参考材料として、以下を考えてみてもらえたらと思います。
ポイント①「何から自由になりたいのか?」を言葉にしてみる
働き方を考える際のポイント、一つ目は、自分が得たい「自由」の中身を具体的にすることです。
時間の自由? 場所の自由? それとも、苦手な人間関係からの自由?
あるいは、会社の評価制度や理不尽なルールからの自由?
ここを掘り下げていくと、「今の会社がしんどいだけ」なのか、それとも「会社員という働き方の枠組み自体が合わない」のかが見えてきます。
もし「今の人間関係がつらい」だけなら、環境を変えれば会社員のままでも幸せになれるかもしれません。
でも、「組織のルールに合わせること自体が苦しい」のであれば、フリーランスの選択肢が現実味を帯びてきます。
「なんとなく自由になりたい」ではなく、「私は〇〇から自由になりたいんだ」とハッキリさせること。
まずそれをイメージしてみてください。
ポイント②「どんな一日を過ごしたいか?」から逆算してみる
二つ目は、年収や肩書きといった「結果」ではなく、「日々の生活の質・スタイル」を想像してみることです。
もし、あなたが理想の働き方を手に入れたとしたら、どんな一日を過ごしているでしょうか?
朝は何時に起きて、どこで、誰と朝食を食べていますか?
仕事は一人で黙々と進めますか? それともチームでワイワイと?
夕方はどんなふうに過ごして、夜はどんな気持ちで眠りにつきますか?
頭で「どっちが得か」を計算する前に、その一日を想像したとき、身体や心がどう反応するかを感じてみてください。
「稼げそうだけど、常に仕事に追われている自分」を想像して苦しくなる感じなら、それは体が受け付けたくない!と叫んでいる可能性があります。
逆に、収入は少し減っても、家族と落ち着いて話せる時間があったり、複雑な人間関係に縛られず黙々と働いている自分を想像してホッとしたりするなら、それがあなたの本音に近いはず。
どういうライフスタイルを望むかを想像すると、働き方を決めやすくなっていきます。
ポイント③「自分の不安ポイント」と「安心の基盤」はどこにある?
そして三つ目は、自分の不安の正体を知ると同時に、自分を支える基盤を確認することです。
フリーランスになることへの不安、あるいは今の働き方を続けることへの不安。
その中身はなんでしょうか?
収入の波が怖い? 営業が苦手?
それとも一人で孤独になるのが寂しい?
人間、何かしらに不安を感じるのは自然なことですが、不安は漠然としたままだと余計に扱いづらくなります。
それと同時に、あなたの安心になる基盤も考えてみてください。
たとえば、ある程度の貯金(経済的な安全・安心)や、「困ったらいつでも話してね」と言ってくれる家族や友人(心理的な安全・安心)など。
一時的に現実逃避できる趣味や、関心事でもいいかもしれません。
ちなみに、フリーランスには「不安と向き合う力」や「不安を抱えながらも前に進む力」も求められてきます。
だからこそ、どうしようもなくなったとき、何か頼れそうなものがあるかは大事です。
勢いだけで決断するのではなく、自分の心の足場をしっかりと確認しておくこと。
現時点であまりなさそうなら、作る方法はあるのかを考えてみること。
それもまた、大事なポイントです。
それでも迷うときに大事にしてほしいこと
ここまでのことを考えてみても、やっぱり迷うときはあると思います。
「本当にこれでいいのかな?」「失敗したらどうしよう」
そんな不安が消えないとき、ぜひ大事にしていただきたいことを2つお伝えします。
「どっちが正解か」より、「自分で選んだと思えるか」
人生の選択において、「絶対に失敗しない正解」というものは、残念ながら存在しません。
フリーランスになっても、会社員でも、頑張らなければならないことは必ずあります。
そして、きっとどこかのタイミングで「大変だな」「あっちのほうがよかったかな」と思う瞬間が訪れるものだと思います。
それぞれのメリット、デメリット…周囲からいろんな声も聞こえてくるはず。
それらに振り回されていると、いつまで経っても根本的には満たされないまま、時間が過ぎてしまいます。
だからこそ最終的に大事なのは、「これは誰かに言われたからではなく、自分で決めたことだ」と思えるかどうか、つまり「納得感」。
後悔というのは、「失敗したこと」に対してするものではありません。
「自分で決められなかったこと」「やりたかったのにやらなかったこと」に対してすることが圧倒的に多いのです。
「あのとき、周りの反対を押し切ってでも挑戦していればよかった」
「本当は嫌だったのに、流されて決めてしまった」
そんな後悔をしないためにも、もちろん情報収集も大事ですが、最後は自分の心に従って「よし、これでいこう」と腹をくくること。
たとえその結果、うまくいかないことがあったとしても、「自分で選んだ道だから」と思えれば、そこからまた軌道修正していきやすいです。
納得感のある選択が、人生を後悔なく前に進める力になります。
キャリアは行ったり来たりの選択肢もある
そしてもう一つ大事なのは、何かを一度決めたら、絶対に一生その道を歩み続けなければならないわけではないということ。
今の時代、キャリアは流動的で、昔よりは行ったり来たりしやすくなっています。
フリーランスから会社員に戻る人もいれば、会社員からまたフリーランスになる人もいます。
副業から始めて徐々に独立へ軸足を移す人も増えています。
今回、冒頭で挙げたニュースにある「フリーランスから会社員への回帰」も、決して「フリーランスとしての敗北」ではありません。
「今はスキルアップのために会社という環境が必要」
「ライフステージが変わったから、今は安定を重視したい」
そうやって、自分のフェーズに合わせて柔軟に働き方を変えていくことは、賢いキャリア戦略ともいえます。
もちろん、年齢やスキルなどの関係で、理想とするキャリアの行き来は努力をしないと難しいケースもあるでしょう。
でも、本当にやりたいのであればいろんな方法が考えられますし、「絶対に不可能」ということはありません。
人生は長く、今この瞬間に、未来がはっきりと見えるわけではない。
だからこそ、不確定要素があることも受け入れつつ、その状況での最善策を現実的に考えること。
先のことをしっかり考えるのも大事ですが、考えすぎて動けなくなったら何も変わっていきません。
「今の私がどう感じるか」で、納得できるベストを選んでいく。
その積み重ねを大事にして、自分らしいキャリアをつくるという考え方もあるとお伝えしたいと思います。
フリーランスか、会社員かは「人による」。だからこそ一緒に考えます
フリーランスか会社員か。
この問いに「絶対の正解」はありません。人によって、状況によって、タイミングによって、答えは変わります。
だからこそ、簡単には答えが出せず、迷う方も多いのだと思います。
迷うことは決して悪くありません。
それは、しっかりと自分の人生を生きようとしている証拠だから。
ただ、フリーランスは、あくまでも働き方のひとつの選択肢です。
大切なのは、
「自分がどう働きたいか」「どんな日々を過ごしていきたいか」「そのためにどう動いていけばいいか」
こういった一つひとつを、ちゃんと自分で考えていくこと。
でも、頭だけで考えた答えは「損得勘定」や「世間体」などが先に立ち、実は本心ではないことも多いです。
ですので、まずは心から。
本音では、どう感じているのか。
そのうえで何をどうするかを考える、この順番が大事です。
これからも私自身が、ちゃんと納得できる働き方・生き方を続けていきたいと思います。
そして、自分に合う働き方・生き方を見つけられる方が増えるよう、これからも精一杯サポートさせていただきます。
独立・副業など、働き方に迷っている方へ
働き方の悩みは、仕事の話だけを切り取っても、なかなか整理がつかないことがあります。
これまでの経験や価値観、今置かれている状況や心の余裕。
そして、「本当はどうしたいのか」という気持ち。
いろいろなものが重なり合って、今の迷いが生まれているからです。
もし「働き方を見直したい」と迷っていたら、一度ご相談いただけたらと思います。
私の体験セッションでは、フリーランスとして長く働いてきた立場と、
働き方・生き方を支えるカウンセラーとしての視点の両方から、
あなたの気持ちと状況を一緒に見ていきます。
「どうしたらいいか」を急いで決めるのではなく、
「今、何に迷っているのか」「何が引っかかっているのか」から確認していきましょう。
そして、あなたが無理なく、自分らしく働ける道筋をつくっていけたらと思います。
まずはどんなセッションか知りたい方へ

